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 サウジアラビアがスポンサーの、アラビア語日刊紙アルハヤートが、興味深い記事を掲載した。

 それによると、中国はこのまま行けば、2013年には外貨準備高が、現在の2兆5000億ドルから、5兆ドルに達し、あらゆることが可能に、なってしまうと報じた。

 これだけの外貨を持つと、中国が国際市場で、あらゆる金融商品の、価格操作が、自由に出来るようになる、ということだ。

 当然のことながら、それを一番恐れているのはアメリカだ。アメリカの議会では、中国が意図的に、元の価値を抑え込んでいるとし、何らかの制裁を行うべきだ、という意見が持ち上がってきている。

 第1次石油ショックが起こった、1970年代には、アラブ産油諸国のペトロ・ダラーが、世界を制する、と大騒ぎになったのだが、ここにきて、中国が21世紀のペトロ・ダラーならぬ、世界の脅威通貨、元になってきたようだ。

 中国は、ペトロ・ダラー、そしてその後の円と同じように、あくまでも一時的にしか、世界を制することが、出来ないのであろうか。あるいは、中国はこのまま、異常な外貨準備高の増加を、続けていけるのであろうか。

 アメリカのなかでは、すでに中国に対して、元の切り上げを、させるべきだという考え方が定着し、中国に対し、あらゆる形の要求が、突きつけられ始めている。そのアメリカからの強力な攻勢に、中国も当然のことながら、応えざるを得まい。

 中国はそれでも、何とか自国のリスクを、最小限に抑えたい、と考えているのは当然であろう。言ってみれば、中国は危険な綱渡りを、始めたのではないか。もし失敗すれば、中国の経済はたちまちにして、崩壊するかもしれない。

 その影響は、額が巨額なだけに、世界中に大きな影響を、ばら撒くことになろう。無定見に中国進出した日本企業が、どうやってその危機から、脱出できるのか。あるいは、脱出することが出来ないで、大きな渦の中に、巻き込まれてしまうのか。

 いずれにしても、相当の影響が出ることに、違いはあるまい。そのことに気がついたからこそ、サウジアラビアがスポンサーの、アルハヤート紙がこのことを、取り上げたのであろう。

 


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 散々世界中が騒がせた後、イランはロシアの供給する燃料棒を、ブシェールの原発に挿入し始めた。このことについては、イランの核開発に、厳しい対応を取っていたアメリカも、ロシアの管理の下で、厳重に核兵器を開発する材料を、イラン国内に残さないことを条件に、渋々認めることとなった。

 イランにしてみれば、しめしめということであろう。一旦、燃料棒が挿入されてしまえば、その原発に対して空爆を強行することは、出来なくなるからだ。アメリカのボルトン氏が「あと数日しか残されていない。」と大騒ぎしたのもそのためだった。しかし、さすがのイスラエルも、アメリカの賛同無しには、強硬手段を取る決断が、出来なかったのであろう。

 そして、イランは核保有国への道を、一歩進めることが出来た。もちろん、そのことはイランが核兵器を持つ意思がある、ということを言っているのではない。あくまでも、その可能性を一段と高めたという意味だ。

 しかし、今のイランはこれだけでは、済まないのではないか、と世界を疑惑に包む言動を、繰り返している。それはもちろん、国際政治の場での、一つの取引の技術ではあろうが、あまりにも危険過ぎはしないか、と不安になる。

 ブシェールの原発に燃料棒が、挿入されることが決まって間もなく、イランの副大統領であり、原子力開発委員会委員長のアリー・アクバル・サーレヒ氏は、ブシェール原発への燃料棒挿入の後、ロシアとイランで燃料棒を、共同で生産したい、と言い出した。

 そのことは、当然ロシア国内ではなく、イラン国内で生産したい、ということであろうから、世界から猛反発を受けることは必定だ。アリー・アクバル・サーレヒ委員長は「世界に対してイランは核エネルギー開発につながる、ウラン生産の能力を、示す必要がある。」といった内容の発言をしている。

 そして「ロシアはイランの提案を検討中だ。」とも語っている。このアリー・アクバル・サーレヒ委員長の発言を、イスラエルやアメリカは、どう受け止めるであろうか。

そこまでイランの核研究が進んでいるのであれば、最早止めようがない、と思うか。あるいは、何としてもこれを、阻止しなければならない、と考えるか、そのいずれかではないか。そして可能性が高いのは、後者の方ではなかろうか。

 アリー・アクバル・サーレヒ委員長は「イランがすでに20パーセントの濃度のウラニュームを、25キロ生産した。」とも語っている。これは表向き、医療用のものとされているが、もう少し濃度を上げれば、それは危険な核兵器の材料に、限りなく近づくということを、意味している。アリー・アクバル・サーレヒ委員長の発言は、政治的駆け引きなのか。あるいは「調子に乗りすぎた軽率な発言」なのか?

 

 

 


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