11月11日
イスラエル軍がガザで民族浄化作戦を続けている理由として新運河建設も指摘
イスラエルはアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」を計画している。スエズ運河はエジプト領にあるが、新運河はエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出るルート。
この計画が実現するとイスラエルは世界の物流に対する影響力を手にできるが、問題はパレスチナ人を封じ込めているガザ。新運河の不安定要因になる。その問題を解決するためにはガザからパレスチナ人を消し去らねばならないとイスラエルが考えても不思議ではない。
ガザには天然ガスの問題もある。地中海東部、エジプトからギリシャにかけての海域で天然ガスや石油が発見されているのだ。この海域に9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っていることがわかっている。
ガザ沖にも天然ガスは存在、その開発が進んでパレスチナの経済が豊かになることをイスラエルは恐れている。イスラエルは1948年5月14日に「建国」されたが、その時点から「大イスラエル構想」は存在していた。ユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域はユダヤ人の所有物だというのだ。
その構想を実現しようとしていた人びとはユダヤ教の宗教書であるトーラー(キリスト教徒が言う旧約聖書のうちモーセ5書)の記述を根拠だとしているが、トーラーによると、土地を所有しているのは神であり、ユダヤ教徒はトーラーを守るという条件の下でその土地に住むことを許されただけだ。大イスラエル構想はプロテスタントが言い始めたのだとも言われている。
軍事的な緊張が高まったことからエジプトは1967年5月15日に緊急事態を宣言、部隊をシナイ半島へ入れた。5月20日にはイスラエル軍の戦車がシナイ半島の前線地帯に現れたとする報道が流れ、エジプトは予備軍に動員令を出す。そして22日にナセル大統領はアカバ湾の封鎖を宣言した。
イスラエルはこの封鎖を「イスラエルに対する侵略行為」だと主張、イスラエルの情報機関モサドのメイール・アミート長官が5月30日にアメリカを訪問、リンドン・ジョンソン米大統領に開戦を承諾させた。
ハマスを含むパレスチナ系武装グループが10月7日にイスラエルへ攻め込んだ。軍事作戦「アル・アクサの洪水」だが、この攻撃をイスラエル政府やアメリカ政府は事前に知っていた可能性が高い。