『状況の悪化・神懸かってきたイスラエル政府 』

2023年11月 3日

11月3日

 

              『状況の悪化神懸かってきたイスラエル政府 

 イスラエルの首相を務めているベンヤミン・ネタニヤフはパレスチナ人虐殺を正当化するため、「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出した。 聖書の中でユダヤ人と敵だとされている。

「アマレク人」を持ち出し、「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記2517節から19節)という部分を引用、この「アマレク人」をイスラエルが敵視している勢力に重ねて見せた。アマレク人は歴史の上で存在が確認されていない民族だが、ネタニヤフの頭には存在しているようだ。

 「アマレク人」を家畜ともども殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたという。ネタニヤフはパレスチナ人が生活していた歴史を破壊で消し去ると言いたいのだろう。

インターネットには、95歳になるイスラエル陸軍の退役兵、エズラ・ヤチンがユダヤ人に対してパレスチナ人を殺して彼らの記憶を消し去れと呼びかけている映像が流れている。こうした主張をするということは「約束の地」を想定しているのだろう。

ナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域、つまりパレスチナのほかレバノン、ヨルダン、クウェート、シリア、さらにイラクの大半、エジプトやサウジアラビアの一部を自分たちの領土にしようとしている。「大イスラエル構想」だ。

 そしてサムエル記上153節の話を彼は持ち出す。そこには「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。

容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだというのだ。ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民だ」としたうえで、イザヤの預言を理解しなければならないと主張する。

「われわれ」とはイスラエル人、「彼ら」とはパレスチナ人、イスラム教徒、あるいはイスラエル以外の人びとを指しているのだろう。ネタニヤフはリクードの政治家だが、同じようにこの政党に所属する元国会議員のモシェ・ファイグリンはガザをドレスデンや広島のように破壊するべきだと主張している。実際、破壊されたガザの様子は両都市を彷彿とさせるものがある。

 ファイグリンは議員時代の2014年、ガザ問題の「解決策」を発表している。まずイスラエルはガザの軍事目標を攻撃しようとしていると発表し、危害を加えられたくなければ直ちにガザからシナイ半島へ立ち去るように警告、そのうえでイスラエル軍はガザ全域を攻撃するが、その際、「人間の盾」や「環境へのダメージ」を考慮しない。

 この攻撃と並行してガザを完全に包囲して兵糧攻めにし、攻撃で敵を弱体化させた後にガザへ地上部隊を侵攻させる。この際、考慮するのは兵士への被害を最小限に抑えることだけ。非武装の市民は「撤退が許可され」、ガザから離れることを望む人びとを援助する。