6月25日
欧州へ向かう難民や不法移民の数は増大し、それに伴う海難事故も急増している模様です。al jazeera netは、チュニジア当局が、22日チュニジア近海でイタリアへ向かう違法移民のアフリカ人を載せた船3隻が沈没し、15名が失われ、また3名が救助後死亡したと発表したと報じています。
最近ではチュニジアのスファックスの沿岸警備隊が152名を救助した由。またEUもこのような事態に対処するために、チュニジアに対し1億ドルの資金を提供する。他方スペイン当局は、同日スペイン領のカナリ―諸島(大西洋)で、過去24時間で5隻の難民船から、アフリカから欧州に向かうアフリカからの難民(不法移民)約350名を救助したと発表した。
これら生命の危険を冒して欧州に向かう中東、アフリカからの人々を難民と呼ぶべきか、(不法)移民と呼ぶべきかは難しい問題で、アラビア語メディアでも特に確たる基準はなさそうで、時に難民、時に不法移民等の表現をしています。
ギリシャ沖の悲劇でも、欧州の沿岸警備隊が救助が必要か?と問いかけたのに対して、不要と答え,その直後に船が沈没したのも、欧州の船に救助されると、その後入管当局の手で、真正の難民か否か調査され、多くが送り返される可能性があることが背景にあるのかもしれません。
他方欧州の方でも、イタリアやギリシャ等の沿岸国と内陸の国の間で、難民、移民の扱いを巡り、誰の責任たるべきか議論があるようです。いずれにせよ、これから夏の静かな海が続けば、中東アフリカからの難民、移民の波はむしろ増えることが予測され、悲劇は続くことになるのでしょうか?