5月21日
『アラブ首脳会議]
19日から始まった32回アラブ首脳会議はジェッダ宣言を出して閉会した模様ですが、この会議はアラブ諸国の主権擁護等をうたったものの、逆にアラブの分裂と不統一を印象付けた模様です。
アラビア語メディアを見ていても、今回の首脳会議で最も注目されたのは、アサドとウクライナ大統領、の出席で、他の議題等については相も変わらない壊れた古いレコードの演奏との感じを否めませんでしたが、この2つの問題についてもアラブは亀裂をさらけ出したようです。
まず、アサドの出席問題ですが、これまでも中東ではトルコと共に厳しい態度をとっていたカタールの首長はアサドの到着直前に帰国した。他方ゼリンスキーの出席問題については、アラビア語メディアは、サウディの招待によるものと報じた。
とくにal qods al arabi netはアルジェリア(伝統的にマグレブでは最大の親ソ、親ロシア国)が、その招待に強く異を唱えて、同国のメディアはいずれも彼の招待はアラブ諸国の意志ではないとの論調で一致している。
更に、同ネットは、アルジェリア大統領は6月にもロシアを訪問することとなったと報じています今回のG7サミットでは、参加国はロシアに対してさらに厳しい制裁を課すことで一致し、また米はこの機会に欧州諸国が米製のF 16戦闘機をウクライナに再輸出することを容認た。
パイロットの訓練等で協力する用意があると表明しましたが、アラブ首脳の方は格別の提案等もなく、何故ゼリンスキーを招待したのか良く分かりません。もしかするとサウディ皇太子一流の派手好みのゼスチャーでしょうか?
尤もゼリンスキーは仏政府機でジェッダ入りしたと報じられていて、裏舞台では安全確保等について関係国の情報機関間で密接な協議があったはずなので、単なるその場の思い付きではないでしょう。