『地震による犠牲責任は誰に』

2023年2月14日

2月14A

 トルコでは数年前にも大地震が起きて多数が死んでいる。それ以前にも大地震が起き、今回のような犠牲者が出ていた。つまりトルコ政府と国民は、まったく過去の経験から、学んでいないということだろうか。

今回の地震の規模は相当なものであったことは誰もが認めるところであろう。だが、それと同時になぜ同じような犠牲が生まれたのか、ということに対する答えにはなっていないようだ。

今回の地震の現場を見て見ると、ビルはサンドイッチのパンのように、折り重なっている〈パンケーキ・クラッシュ〉、つまりビルの支柱が弱すぎたということだ。そのためにビルはばたばたと同じ場所で折り重なっていたということだ。

もう少しコンクリートの中の鉄骨がふとく、本数が多ければこれほどひどい状態にはならなかったろう。完全な工事施行者の手抜きであることが分かろう。同時にそれは政府側の責任でもあろう。政府の役人はしかるべき命令をし、指導をしたというが、それは嘘であろう。

工事責任者は逮捕を恐れ、早々と外国逃亡を図ったが、空港で逮捕された者もいた。なぜ政府もこうした状況を放置したのかというと、トルコはシリアなどからの不法入国者が多く、住居の不足が問題になってきていた。そのため雨露がしのげればいい、という感覚だったのであろ。

さてこうなると何万人もの死者がでた責任は、政府大統領にも相当多くある、ということになる。5月にはトルコでは大統領選挙が、行われる予定になっているが、多分このまま選挙に進めば、大統領は敗北する確率が高いだろう。

エルドアン大統領は地震災害復旧を口実に、選挙の実施を延期するのか。まさか夜逃げはすまいが。