2月1日
ウクライナの敗北が決定的でも戦争を継続してロシアを疲弊させたいシオニスト
アメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」は今年1月、「長期戦を避ける」というタイトルの報告書を発表した。戦闘が長くなるとロシアと中国の関係を強めることになり、アメリカにとって利益よりリスクが大きくなるとしている。
シリアで政府軍と戦うアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)はアメリカ/NATOが作り上げた武装集団であり、2011年春以来、傭兵として戦ってきた。
バラク・オバマ政権の政策をアメリカ軍の情報機関DIAは危険だと考え、2012年8月に報告書をホワイトハウスへ提出している。その報告書の中で反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者やムスリム同胞団だと指摘、アル・カイダ系武装集団のAQI(アル・ヌスラと実態は同じだとしている)の活動を指摘している。
RANDのプランは実際に引き起こされている。ウクライナでの計画はロシア政府の決断によってつまずく。2022年2月22日にウラジミル・プーチン露大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、2月24日にロシア軍はウクライナを巡航ミサイル「カリブル」などでウクライナに対する攻撃を開始した。その際、航空基地のほか、生物兵器研究開発施設も破壊されたようだ。
キエフ政権はロシア側と話し合いを始める。そうした立場のひとりがボロディミル・ストルクだが、3月1日に誘拐され、拷問された上で射殺された。3月5日にはロシア政府と交渉しているチームのひとり、デニス・キリーエフがキエフの路上で治安機関SBUの隊員に射殺され、3月7日にはゴストメルのユーリ・プライリプコ市長の死体が発見された。
4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長(当時)が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。
アメリカ統合参謀本部のマーク・ミリー議長は昨年11月、ウクライナ軍がロシア軍に勝利することはないかもしれないとニューヨークの経済クラブで発言しているが、ウクライナ軍の敗北は決定的だ。コンドリーサ・ライス元国務長官やロバート・ゲーツ元国防長官も戦況の見方は同じだ。
ロシアとの戦争に執着している人びとはNATO軍を引き出そうとしているようだが、それだけでなく東アジアに火をつけようとしている。この放火が成功した場合、アメリカ/NATOは日本を前面に出そうとするだろう。