『ウクライナの武器枯渇』

2022年12月29日

ブログ 12月30日

ウクライナ最高司令官ヴァレリー・ザルジニー将軍の最近のインタビューで、ウクライナの追加武器の切実な必要性とそれらを受け取れない場合の結果は非常に明白になった。

議論は、防空ミサイルから戦車、装甲車両、大砲、砲弾自体に至るまで資源の切実な必要性を中心に展開された。欧米とウクライナ双方が認めている全てが不足しており、おそらく近い将来または中期的未来にも供給できない。

ランド研究所の2019論文「ロシアを背伸びさせる」の現実化だ。この論文はドンバスにおけるロシアの装備と人命損失がソ連がアフガニスタンで被った費用の再現になるよう望んでいた。アメリカや他のNATO諸国、そして何よりウクライナ自体少なくともそれ以上ではないにせよ同じくらい苦しんでいると簡単に主張できる。  

戦闘中に人員と装備を再生する各々の軍事産業能力にとって、どちらがどれだけ失う余裕があるのかということだ。ほぼ一年の戦闘後ロシアの備蓄と軍隊がこの種の長引く激しい大規模な軍事紛争に備えていたことは明らかだ。ウクライナとその欧米スポンサーはそうではなかった。

 ウクライナのザルジニー将軍は国境を回復するため必要と主張する武器の「欲しいものリスト」をエコノミストに明かした。リストには戦車300両、歩兵戦闘車600?700両、榴弾砲500門が含まれていた。

ロシア地上部隊が撤退し、代わりに長距離兵器を使用して現在十分構築された防御線の背後からウクライナ軍を攻撃したため膨大な量の装備も失われた。今やウクライナに対する西側援助の限界が益々認識されつつある。11月のニューヨーク・タイムズ紙記事「アメリカとNATOはウクライナを武装させ自国の兵器を補充するために緊急発進している」は下記のように認めている。

昨年夏ドンバス地域でウクライナは毎日6,000から7,000発の砲弾を発射したとNATO高官は述べた。ロシアは一日あたり40,000から50,000発の弾丸を発射していた。ザルジニー将軍は300両の戦車を望んでいるがアメリカは改修が必要な90両のT-72戦車しかかき集められなかった。アメリカ政府メディアのラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオリバティによると、戦車は年末までにウクライナに到着すると予想されている。

 ウクライナが枯渇する中、ロシア兵器は到着し続ける

 ウクライナの二つの主要秋攻勢に直面してロシア軍は戦闘能力を維持しただけでなく、30万人以上の追加軍隊を部分的に動員した後、ロシアの戦闘能力は実際拡大した。余分な人員に加えて、ロシアは新しい兵器の着実な流れももたらしている。

 アメリカとNATO同盟諸国の合同資源に対してロシアが戦闘作戦をどれほど準備していたのか維持する用意がどれほど調っていたのかは時が経てばわかるだろう。確かなのはウクライナの秋攻勢が止まり、再びロシア軍が戦場を横断していることだ。

欧米も彼が勝つために必要なものを持っていないのは明らかで、それを得るべく真剣な準備もしていない。唯一の希望はウクライナへの減少する供給が最終的に使い果たされる前にロシアが武器と弾薬を使い果たすという考えにかかっているようだ。