『ゼレンスキーの米国訪問という茶番劇を演出したのは元映画プロデューサー』

2022年12月25日

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 ウォロディミル・ゼレンスキーが突如ワシントンを1221日に訪問し、軍事援助をさらに供給するよう求めた。議会では兵士の書き込み入り国旗をナンシー・ペロシ下院議長へ手渡し、数人を除く議員から拍手を浴びた。

書き込みの中にはナチスのマークも含まれている。そもそもゼレンスキーはウクライナで野党の活動を禁止、自分に批判的なメディアも閉鎖、東方正教会の活動も禁止している反民主主義的な人物だ。

 このアメリカ訪問を企画したのはウクライナの大統領府長官を務めているアンドリー・イェルマークだと言われている。この人物は弁護士だが、映画ビジネスにも関わっていた。コメディアンのゼレンスキーと同じ世界にいたわけだ。

 ゼレンスキーが出演したコメディ映画「オフィス・ロマンス。我らの時代」が2011年に公開されているが、この年にゼレンスキーとイェルマークは親しくなっている。その翌年にイェルマークはガーネット国際メディア・グループを設立、その後、映画をプロデュースしていた。

 イェルマークは外交や安全保障を含む政治に詳しいとは思えず、ゼレンスキーは大統領に就任しても、ワシントン、あるいはハリウッドの指示に基づいて大統領という役を演じているだけのように見える。その間に入っているのがプロデューサーのイェルマークだ。

 アメリカにとって2011年は重要な年だった。20091月にアメリカ大統領となったバラク・オバマ政権は108月に中東や北アフリカにかけての地域で政権転覆工作を始めることに決め、PSD-11を出した。そして始まったのが「アラブの春」であり、手先として使われたのがムスリム同胞団だ。2011年春にはリビアとシリアに対する侵略戦争をオバマ政権は始めた。

 ウクライナでは2010年の大統領選挙でアメリカと一線を画す立場のビクトル・ヤヌコビッチが勝利する。このヤヌコビッチを支持していたのが東部や南部。この地域では70%以上の有権者が彼に投票した。

 この結果を懸念したアメリカ政府は7月にヒラリー・クリントン国務長官(当時)をキエフへ派遣する。彼女はヤヌコビッチに対し、ロシアとの関係を断ち切ってアメリカへ従属するように求めたが、西側の植民地になることを望まないヤヌコビッチはこの要求を拒否。

そこからバラク・オバマ政権のクーデター計画が始まったと言われている。その計画が指導したのは201311月、翌年の2月にネオ・ナチがヤヌコビッチ政権を倒した。

 ゼレンスキーは2015年に始まったドラマ「人民への奉仕者」で主役を演じているが、それを放送した「1+1メディア・グループ」の資金源はイゴール・コロモイスキー。20142月にヤヌコビッチを排除したクーデターにも深く関与、ウクライナ、キプロス、イスラエルの三重国籍を持つシオニストの富豪であり、ゼレンスキーを操っていた。クーデターに関与していたということは、オバマ政権とも繋がっていることを示している。

 ゼレンスキーがショー・ビジネスの人間だというだけでなく、ウクライナに関する西側有力メディアの「報道」もハリウッド的だ。アメリカは1990年代にユーゴスラビアを先制攻撃、解体したが、そこへ至る過程で広告会社が重要な役割を演じ始めていた。宣伝に人びとを騙すという戦術だ。21世紀に入るとハリウッド的な演出で人びとを操るようになる。

 メルキト東方典礼カトリック教会の修道院長を務めていたフィリップ・トルニョル・クロはシリアのホムスで引き起こされた住民虐殺事件を現地で調査、西側の有力メディアによる「報道」が嘘だという結論に達した。「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている」と報告している。これはウクライナでもあてはまる。