ブログ11月28D日
イラン情勢についてアラビア語メディアの報じるところ、取りまとめ次の通り・最高指導者ハメネイは25日、バシージとの対話で、イランのレバノン、シリア、イラクに対する「革命の輸出」問題に触れた。
これらの国はイラン革命の戦略的深部を形成しているとして、その正当性を強調し、また米国はこれら3国に加え、リビア、ソマリア、スーダン合わせて6国で、イラン革命の戦略的深部を破壊しようとしていると非難した由。
その点からハメネイは、前コドス部隊司令官のスレイマーニの戦略と革命防衛隊の努力で、特に前記3国でイラン革命を対象とした米の陰謀を挫いたと自賛した。
・米国との関係では、米は交渉が妥結に近づくと決まってその要求をさらに高くするので、イランの抗議活動について米と交渉することで、抗議活動の終焉を図ることはできないと語った(ハメネイのスピーチはおそらくさらに長く、宗教用語など使っていて、なかなか真意を探ることは難しいかもしれないが、イランの抗議活動に関する米との交渉の可能性に触れたことは興味深い。
然し、彼もイラン革命のイデオロギーに染まっていて、抗議活動は米国が糸を引いているものと理解しているようだが、抗議が女性やクルド等イラン内部の問題であるだけに、米と交渉しても抗議は納まらないとの結論部分は正しいと思われる。
もう一つ注目されるのは、レバノン、シリア、イラクがイラン革命の戦略的深部としていることで、イランは今後ともこれらの国から手を引くことはないことを示唆していると思われる)
革命防衛隊はその後も、機甲化部隊や特殊部隊のクルド地域覇権を続けているが、革命防衛隊幹部が初めてクルド地域への部隊増派を認めた。(最近は抗議活動がクルド地域に限定されつつある印象を受けていたが)革命防衛隊やバシージは、バルチスタンでも、ザハダン等で群衆に向け発砲する等弾圧を強めているこれにたいした。
イラン南東部のバルチスタンでも体制に対する非難の声が高まっていて、宗教指導者(ここはスンニ派が多い)も、クルド人らとの連帯を呼び掛けている。
(クルドの他に、バルーチ族とかアゼリとかアラブとかその他の少数民族出身者が多いイランで、これらの少数民族の間でどのくらい抗議の声が拡散しているのかは不明だが、このまま革命防衛隊やバシージの弾圧が続くようであれば、イラン体制そのものへの脅威が現実問題となる可能性もあるか?)