『チュニジアの騒擾』

2022年10月15日

ブログ10月16A

アラブの春発祥の地チュニジアでは、その後、他の国が内戦やクーデター等の悲惨な状況を経験したのに対し、曲がりなりにも憲法に基づく民主主義が実行されていましたが、ここでも大統領の後継者争いや権限問題等から、政権を巡る争いが絶えず、ついには昨年7月大統領サイードが、首相を罷免し、議会の活動を停止し、全権を握るという大統領によるクーデターが起きました。

このサイードによる大統領クーデターは実に奇妙な事件で、特に政治的背景や大衆的バックグランドもない憲法学者の大統領が全権を握り、これに対してはナハダ党はじめほぼすべての政党及び職能組合等が反対の立場と伝えられています。

また、サイードがイスラム過激派支持を受けているという話も聞きません大統領には勢力があるわけですが、チュニジアの場合、今に至るもそのような勢力に関する報道もなく、この間政党や組合等の反大統領デモが繰り返されたが、また今回も14~15日の夜、前に警官との衝突で負傷し、死亡した青年のための抗議デモが、警官隊と衝突したという訳です。

ということで、チュニジア情勢は不思議というしかありませんが、矢張り背景には伝統的な政党(特にナハダ党)の自己中心な政略に対する、民衆の根強い反発があるのでしょうか?