『キエフ橋報復で露軍がウクライナの主要都市をミサイル攻撃』

2022年10月11日

ブログ10月11日

 黒海に配備されているロシアの軍艦から発射された巡航ミサイルで、キエフ、ルボフ、オデッサ、ハリコフを含むウクライナの15都市が攻撃されたと伝えられている。ターゲットは軍事、エネルギー、通信関連の施設で、SBU(ウクライナ保安庁)の建物の近くにも落ちたようだ。

このミサイル攻撃は第1幕に過ぎないとロシア政府は語っている。 10月8日にクリミア橋(ケルチ橋)でトラックが爆発、自動車用道路の桁ふたつが壊れ、並行して走る鉄道を走行していたディーゼル燃料を運ぶ列車7両に引火しているが、この破壊活動をロシア政府はウクライナの情報機関が実行したと断定している。

 工作に利用された2台のトラックはジョージアからアルメニアを経由してロシアへ入り、1台がクリミア橋へ向かい、積んでいたプラスチック爆弾が爆発した。爆弾を積んでいたトラックの運転手は自分が何を運んでいるか知らなかったようだ。また工作にはNATOへ加盟している国の情報機関が関わっているという。

 9月中旬にキエフ政権軍はルガンスクの西側にあるハリコフへ攻め込んだが、この地域はステップ(大草原)。大きな都市は少なく、林が点在しているものの、さほど多くはない。その林も木々も冬には葉を落としてしまうため、隠れることが困難だ。そこでロシア軍は冬を待ち、大規模な攻撃を始めるとも言われている。

 ウラジミル・プーチン大統領は9月21日、部分的な動員を実施すると発表した。近日中に20万人以上の戦闘員を新たに投入するとしている。戦力はこれまでの倍になるわけだが、今回のミサイル攻撃はこの攻撃につながるのだろう。ロシア軍は制空権を握り、高性能ミサイルも保有していることは今回のミサイル攻撃でもわかる。ステップへ入り込んだ部隊は格好の攻撃目標になるだろう。

 2月24日にロシア軍がウクライナで軍事作戦を始めた直後からキエフ政権軍は部隊と司令部との通信などにスターリンクを利用してきた。これはアメリカ国防総省の資金で開発され、イーロン・マスクが運営しているシステムだが、ロシア軍は「ティラダ2」と呼ばれる衛星ジャミング装置によって無力化していると伝えられている。電子戦の分野でロシアが技術的に進んでいることはシリアでも証明済みだ。。この段階になり、ロシア政府は動き始めたようだ。