ブログ9月21S日
NATOがウクライナを取り込むと宣言したのに対し、露国はドンバスを自国領へ。ゼレンスキー大統領がウクライナ北東部のハリコフ州へ送り込んだ部隊の前にはステップ(大草原)が広がっている。
その草原の深くへ部隊が入り込むのを待ち、ロシア軍はミサイル、砲撃、航空兵力によってキエフ軍部隊を攻撃、大きなダメージを与えたと言われている。キエフ軍部隊の進撃が早かった最大の理由はロシア軍がそこにはいなかったからで、「敗走」するロシア軍は存在しなかった。ドンバス軍も速やかに撤退している。冬に森の木々が葉を落として隠れられなくなるのをロシア軍は待っているともいう。
ロシア軍やドンバス軍が撤退した理由として、この地域の戦略的な重要性が低下したこと、NATOが送り込んだ新しい部隊を罠にかけてダメージを与えることなどが考えられたが、ここにきてロシア軍が新しいステージに入るため、部隊の編成を変えている可能性が出てきた。9月20日にロシア議会は徴兵法を改定し、戦時の犯罪行為に対する処罰を厳しくしている。
9月23日から27日にかけてドンバス(ドネツクやルガンスク)のほか、ヘルソンやザポリージャでロシアと一体になることを問う住民投票を実施するようだが、これもロシア軍の動きと関連しているだろう。この件につき、ロシア政府は9月15日から16日にかけてサマルカンドで開かれたSCO(上海合作組織)の総会で参加国に根回しした可能性もある。
アメリカ政府がウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すためにネオ・ナチを使ってクーデターを実行した直後の2014年5月11日にドネツクとルガンスクでも住民投票が実施されている。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われた。その結果、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)、この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かなかった。