『イエメンでUAE支持勢力の領域拡大』

2022年9月11日

ブログ9月S11

 イエメン、特に南イエメンでは、UAEの支援する分離主義勢力が影響力を拡大していることは、累次報告したところですが、al qods al arabi netは、彼等はアブヤン県とシャブワ県の大部分を支配下に置いた後、視野を東方に向け、ハドラマウト県とマハラ県の制圧に向かいつつあると報じている。

 とくに、マハラ県では、政府軍の第231歩兵旅団が分離主義の暫定南部評議会兵力と激しい戦闘を続けてきたが、8日にはUAE空軍が分離主義勢力側に立ち介入したため、立場を変え、イエメン国旗を降ろし、暫定政府の旗を掲げたとのことです。

 さらに記事は、分離主義勢力は、今後主力をハドラマウト県の制圧に向けていくものと見られているが、同県は南イエメンでは面積、人口ともに最大の県で、おまけに重要な油の存在地で、重要な戦略的地位にあるとして、これまでも同地域に対してはUAEとサウディが競合してきた。 

どうやらサウディはハドラマウトについてはUAEに任せ、自分はマハラ県の支配に専念する積りに見え、両者のイエメン政策が、南部両県の実質的分割にある様に見えるとしています政府軍と分離主義勢力軍は、イエメンの暫定首都であるアデンでも対峙している模様で、今後ともサウディ、UAEの政策如何では、南部の勢力図も大きく変わる可能性はありる。

これまでも両国がイエメンを分割しようとしているらしいことは見えていたが、アラビア語メディアがここまで明確に、両国のイエメン分割を狙っているとの記事は、少なくとも承知する限り初めてなので、取り合えず。最近そもそものイエメン内戦の初めであったhothy軍と政府軍(というか政府支持の部族軍と言ったほうが良いか?)の戦いの話はほとんど報じられませんが、このままでいけば、イエメンは実質的に、hothy 軍〈親イラン)、サウディ、UAEの勢力圏に3分割されそうだ。