『ロシア、大量の天然ガスを焼却処理欧州供給分』

2022年8月27日

ブログ8月28Q日

エネルギー調査企業「リスタッド・エナジー」は27日までに、欧州向けの天然ガスの供給量を厳しく絞っているロシアが1日あたり約1000万ドル(約13億8000万円)相当のガスを焼却していると推測する分析結果を公表した。

同社は放射熱の水準を調べた衛星監視データに基づき、ロシアは今年7月11日以降、対フィンランド国境近くに建設された液化天然ガス(LNG)施設で相当な量の天然ガスを焼失させていると指摘。

これらのガスは通常ならば、バルト海を通じてロシアとドイツを結ぶパイプライン「ノルドストリーム1」を経由して欧州へ流れるはずだったものだろうとも推察した。

同社は先週公表した分析結果で、今月17日時点での欧州市場のガス価格が100万英国熱量単位(MMBtu)あたり67ドルだったことを踏まえれば、ロシアが燃やしているガスの量の価格は1日約1000万ドルと推定した。

その量は1日あたり約434万立方メートルで、年間ベースに換算した場合、16億立方メートルに相当。欧州連合(EU)全体のガス需要のうち約0.5%に匹敵するとした。

焼却処分の理由は不明とし、今年後半に稼働予定の同LNG施設の試験操業の一環や組織内部での調整不足が原因の可能性などに言及。政治的な判断が絡むこともあり得るとした。

リスタッド・エナジーは、燃えさかる炎は非常に鮮明であることからロシアと友好的な政治関係が戻った場合、欧州へ送ることが可能な準備を整えていることを示唆もしていると述べた。