ブログ8月28Q日
『みんな腰が引けるイラクへの介入』
イラク情勢はどうにも分かりにくいが,、al qods al arabi net は、現在のイラク情勢は、イラクの安定とイランの影響力にとってのテストであるとの解説記事を書いているところ、イラクのように複雑な情勢について、十分な知識も情報もないものとして、事実関係を判断しにくいが、それはそれとして、興味ありと思われるので、要点のみ次の通り。
現在のサドル派とイラン支持の派閥の対立は、イランがその利益を損なうような衝突を防げるかのテストである。サドル派の議会占拠(確か本日辺りからい議会からは撤収するとの意図のようだが)と周辺での親イラン派の街頭での選挙は、サッダム政権崩壊後のイラクの安定の基盤を揺るがしている更にこのような状況は、イラン国境から地中海迄へのイラン影響下にある、シリア、レバノン等にも大きな影響を与えている。
特にイラクでは、これまでもシーア派に加え、スンニ派やクルドの勢力争いが絶えなかったところに最大派のシーア派の分裂が加わった。10か月前の選挙で第1党となったサドル派は、親イラン派等の妨害で、自らの望む政府を樹立できないでいるが、これまでのところどちらの側も、実力(武力)で物事を解決しようとはしていない。
一つには、現在最大派閥となったシーア派の影響を無にしないためでもあるしかし議会や街頭での占拠騒ぎで、多くのシーア派が暴力の出現を恐れている。イランも同様の懸念を抱き、コドス部隊司令官ka'a-ni をイラクに派遣し、事態の鎮静化を図っている。
しかし、どうやらそのミッションは成功していない模様である。どうも彼はその前任者で米軍に殺害されたスレイマーニのような影響力は有していない様である。サドル師は有力宗教家族の系列で、米軍の進攻には反対したが、その後は外国の対イラク影響に反対していて、選挙後彼の要望する政府の樹立が阻止されたために、彼の支持者が議会を占拠し、彼は現在の憲法の改正を要求している。
これは現体制の根本を変えるものだが、消息筋は彼が自己の都合の良い現体制を変革しようとしてはいないとみている。事情は基本的に米にとっても同じで、米のイラク政策に詳しい人物は、米にとってイラクの重要性はそれほど高くはなく、一時は1万人を越えていた米軍が現在1200名程度で維持されていることがそれを物語るとしている。米も大幅な現状変更を望んではいない様である。