ブログ8月1日
随分前から、レバノンが覚醒剤の一種であるカプタゴンの主要な製造基地となっていて、隣国のシリアがその製造販売の中核となっていることは公然の秘密として、中東全体に広がっていた。
(実際にはレバノンの国家内国家を形成するヒズボッラーが、イランからの資金の先細りもあってか、覚せい剤、麻薬取引の中核をなし、ヨルダンとの国境を通じて大量の覚せい剤がヨルダンに流れ込んでいるとして、ヨルダン軍にとり深刻な脅威となっていた模様)
この問題については消費国側である欧米諸国も重大な関心を示してきて、特に米では議会筋からも政府に対してシリアに対し実行的な措置をとるようにとの要求が出てきた模様だ。
この問題について、al sharq al awsat netは米下院外交員会が、政府に対して、カプタゴンの製造、取引を取り締まり、シリア政府の麻薬関係ネットワークの摘発をするための戦略を策定するよう求める、決議を採択したと報じている。
この決議案は、シリア政府の関係する覚醒剤ネットワークは、世界にとり国境を越えた脅威であるとして、米政府にそれに対する戦略を180日以内に策定するように求めている由また覚醒剤輸入国のリストを作成し、これらの国が覚醒剤と戦うための支援を行い、また対覚醒剤要員の訓練にあたるべきとしている。
また関係議員は先週政府に対する書簡で、シリアをカプタゴンの製造国及び取引国とするように要求した由(テロ組織やマフィア組織に限らず、いわゆるならず者国家が、手っ取り早い資金のもとととして麻薬等薬物の製造や取引に手を出すことは昔から知られているところですが、特にシリアについてはバース党の一党独裁のマフィア国家であるうえに、お隣のレバノンには、同じくイランのお仲間のヒズボッラーの無法地帯が広がっているということで、この種取引に手を染めやすい背景がありそうだ)