『イラク南部の湿地帯は乾燥が進んでいる』

2022年7月 6日

ブログ7月6日

 もう大分時間が経過したが、イラクに自衛隊が派遣されたときの、課題の一つはイラク南部の湿地帯アフワールを元に戻すことにあった。この湿地帯は渡り鳥の中継地であり、小魚も多い場所だった。

 イラン・イラク戦争の折りにこの湿地帯は、敵が潜むのに便利であり、自軍にとっては危険だということで、イラク政府は湿地帯を、乾燥させる作戦を取った。戦争が終わってみるとそれは現地住民にとっては悲しいことであり、それまで送られていた湿地帯を絡めた生活が、出来なくなったからだった。

 湿地帯は舟遊びに便利であり、小魚が沢山取れ、水鳥を狩猟することも、出来たのだ。それが全部不可能になったのだから、悲しんで当たり前であろう。

 この湿地帯の快復に私がパリから連れて来て、小泉首相に会わせせたイラク南部の部族長の息子リカービーが、小泉首相に持ちこんだ話だった。彼は自衛隊のイラク駐留を望まないが、住民のためになることをしてくれるので有れば、その限りではないと語り、湿地帯の復興を持ち出していたのだ。

 小泉首相は共同与党の公明党にその話しを振り、それまで難問になっていた自衛隊の派遣を、公明党は認める側に変わったのだ。そしてリカービーが言った、貢献と安全の交換の話は定着したのだ。

 そのお陰で自衛隊員は誰一人殺されることも、負傷することもなく、日本に帰って来れたのだ。もう自衛隊のイラク派遣は2005年、つまり今から17年も前の話だ。誰がリカービーに入れ知恵したかについて、語るつもりはない。