『状況が全く見えていない日本のロシア問題専門家』

2022年5月28日

5月28日

 私はロシアの勝利を大分前に書いていたが、ここに来てほぼその推測が正しかったようだ。既に、ウクライナの黒海海岸沿いの街は、ロシア軍に破れ全てがロシア軍の制圧下に入った、と考えるべきであろう。その事はウクライナの誇る小麦の輸出が、不可能になったということだ。オデッサに始まりマリウポール、そしてハリコフへの街は、全てが陥落したのだ。

 ウクライナの西部も然りで、ロシア軍は40ほどの都市を、制圧すると言っている。そこにはルヴィブなど、欧米からの武器が集積されている場所もあるのだが、既にロシア軍によるミサイル攻撃で破壊されている。

ウクライナは同国西部の諸都市を守るために、ポーランド軍に支援を求めているが、それは将来ポーランドに委譲してもいいという、暗黙のメッセージではないのか。しかし、そうはなるまい。その後はポーランド領に組み込まれてしまうのだ。つまり、ウクライナは東はロシアによって奪われ、西はポーランドによって奪われるということであろう。  

 もちろん、ロシアはウクライナの西も支配するつもりでいる。そうなればウクライナの小麦は外国輸出が出来なくなり、ウクライナは経済的に破綻するということだ。加えて、北からはベラルースが、ウクライナ国境に軍を集結している。つまりそこからのベラルースへの逃亡は、認めないということであろうか。

 こうした状況を冷静に見て分析しているキッシンジャーは、戦争を終わらせるべきだと言っている、まさにその通りであろう。ゼレンスキーが西側諸国の支援が足りないとか何とかわめいているが、何の意味もあるまい。彼の言葉には既に何の価値も無くなっているのだ。 

彼はウクライナが勇敢にいまでも戦闘を続けているから、武器と資金の提供をしろと欧米にがなり立てているが、それは亡命後の彼の生活費を、貯める作戦でしかあるまい。

戦争がロシアの勝利に終わった時、日本のロシア専門家たちはどう言いつくろうのであろうか。その時は他のテーマに日本人の関心は移っている、ということで気楽なのであろうか。