5月21日
トルコはいま欧米諸国との間に難しい問題を抱えている。その問題とスエーデンとフィンランドのNATO入りを認めるか否かという問題だ。これにはアメリカの世界戦略も絡んでおり、しかも、ヨーロッパ諸国の安全保障にも直結しているだけあって、そう簡単ではあるまい。
だがトルコは案外楽観しているかもしれない。トルコにしてみればすべてはビジネス・マインドで考えるのだ。そうなるとトルコは北欧のスエーデンとフィンランドのNATO入りを認めることと交換に、何を欧米から取り付けるかということになる。
トルコは北欧ニカ国のNATO入りを拒否しているのは、これらの国がトルコの仇敵であるPKKのメンバーを国内に匿っていることにあり、トルコにとっては国家の危機管理上重大な問題だとしている。
たしかにトルコの言い分にも一理あるが、多勢に無勢、トルコには勝ち目は有るまい。そこでトルコは交換条件を求めてくると言うことであろう。その条件とはトルコの武器開発を支援することや、ロシアとの取引のある程度の自由を、欧米諸国に認めさせることでは有るまいか。
多分お互いがウインウインというかたちで、この問題にはけりが着くものと思われる。エルドアン大統領は強引だが駆け引きの才能はある。何でもアメリカの言いなりになる日本の政治家とは、比べものにならないのだ。