『プロパガンダ戦争の時代』

2022年5月16日

5月16日 

 今の戦争は昔とは完全に形をかえているのかもしれない。戦争の主体はプロパガンダであり、次いで傭兵であり、そしてドローンなのだ。基本的には同じだと言われればその通りだろうが、この三つがいまでは主役に躍り出ているのだ。

 プロパガンダでは自国が戦場で優位に戦っているというものであり、相手に不安を広げることだ。最近あったのでは、ロシアとウクライナ双方が、自国は優位に立っているという放送を、続けているということだ。そのため避難している住民は、どちらの情報が正しいのか分からない中で、逃げ回っているという話しだった。

 悲しいプロパパガンダ戦争の一面では、ウクライナ側がロシア兵の死体の写真を、公開したというのだ。その遺族はどんな気落ちなのだろうか、誰にも想像がつこう。しかも死体の年齢は18歳前後の若者たち、ということになるのだ。

 傭兵は外国から集められたのであり、ロシア側にはシリアから来た傭兵が多いようだ。彼らは出稼ぎ感覚できているのだ。それでもその後ろにはやはり悲劇がある。シリア国内がいまだに戦場であり、失業していることは当たり前だがそのことに加え、ロシアはシリアに対しロシア軍のシリアへの派兵への見返り、として受け入れているというのだ。

 ドローンはと言えば、ドローンには爆弾が搭載されて攻撃に使われるのだが、ドローンには人間的な感情はない。どんなに悲惨なことも平気でやってのけるのだ。そしてそのドローンを操作している人たちは、快適な部屋からドローンを操縦し、爆弾を落としている。まるでゲーム感覚なのであろう。その人たちには人を殺しているという感覚は、全くないだろう。

 生死の感覚、罪悪感、悲しみ痛みの無くなった戦場、まるでアニメの世界ではないか。通信手段と武器の発達が作り出した、仮想現実の世界なのだ。その事の危険さを私は2~3年前にこの欄で書いたのだが。