5月8日
マリウポリのアゾフスタル製鉄所にウォロディミル・ゼレンスキー政権側の親衛隊が立てこもっている。ロシア軍が攻撃を手控えている理由は住民が人質にされているからだ。住民の避難をロシア側が妨害するはずはない。
すでに脱出した住民は異口同音に、脱出を試みる住民をアゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)が射殺するだけでなく、建物を破壊、住民や捕虜を拷問、若い女性をレイプしていると告発している。
アゾフ大隊を含む親衛隊は内務省に所属、その主力はネオ・ナチのメンバー。バラク・オバマ政権を後ろ盾とするネオ・ナチは2014年2月22日にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除、クーデター政権は3月13日に内務省の機関として親衛隊を設置した。
アゾフ大隊は右派セクターを基盤としているが、この右派セクターは2013年11月にドミトロ・ヤロシュとアンドリー・ビレツキーによって組織されている。右派セクターは「アゾフ大隊」になり、今では親衛隊の「アゾフ特殊作戦分遣隊」と呼ばれている。この武装グループを当初率いていたのがビレツキー。その拠点がマリウポリだ。
マリウポリの住民にとってアゾフ大隊は占領軍ということになる。右派セクターをビレツキーと組織したヤロシュをゼレンスキー大統領は昨年11月2日、ウクライナ軍のバレリー・ザルジニー最高司令官の顧問に据えた。ウクライナ軍もネオ・ナチの支配下に入ったということだが、そのネオ・ナチはNATOにコントロールされているはずだ。
ニューズウィーク誌によると、軍の情報機関DIAはロシア軍が長距離ミサイルで攻撃しているターゲットは軍事施設だと説明、住民が狙われているとする話を否定している。また、アメリカ政府が宣伝している生物化学兵器による「偽旗攻撃」について、アメリカ国防総省の高官はロシアによる化学兵器や生物兵器の攻撃が差し迫っていることを示す証拠はないと語っている。
2022年4月13日にロシア海軍のミサイル巡洋艦モスクワが攻撃され、その翌日に沈没したが、その攻撃についてアメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズやネットワーク局NBCはアメリカが提供した情報が役立ったと伝えているが、国防総省は否定している。