『ブチャ虐殺には嘘が多すぎる』

2022年4月 5日

 キエフから63キロメートルほど北にあるブチャで住民が虐殺されたと43日に報道された。ウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア軍によるものだとしているが、不自然な点が指摘されている

ロシア軍は330日にブチャから撤退を完了、31日には市の職員がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。ニューヨーク・タイムズ紙によると、42日にはネオ・ナチを主体に編成された親衛隊のアゾフ大隊(アゾフ特殊作戦分遣隊)がブチャへ入っている。

 ロシア軍が住民の犠牲を厭わなかったならば、はるか前にキエフは制圧されていたが、そうしたことにはなっていない。ニューズウィーク誌によると、軍の情報機関DIAは長距離ミサイルが攻撃しているターゲットは軍事施設だと説明、住民が狙われているとする話を否定している。

またアメリカ政府が宣伝している生物化学兵器による「偽旗攻撃」について、アメリカ国防総省の高官はロシアによる化学兵器や生物兵器の攻撃が差し迫っていることを示す証拠はないと語っている。ウクライナの戦争は20142月にクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権を転覆させたところから始まっている。

 クリミアでは316日にロシアとの統合を求める住民投票を実施、80%以上の住民が参加、95%以上が加盟に賛成した。この住民投票では国外からの監視団が入り、日本やアメリカに比べれば遥かに公正なものだったと考えられている。

こうした動きを懸念したのか、ジョン・ブレナンCIA長官が412日にキエフを極秘訪問、クーデター政権は14日に東部や南部における制圧作戦を承認する。

 ヤロシュは2007年にNATOの秘密部隊ネットワークに組み込まれたが、その当時アメリカのNATO大使を務めていた人物がクーデターを指揮することになるビクトリア・ヌランドだ。昨年112日、ゼレンスキー大統領はヤロシュをウクライナ軍のバレリー・ザルジニー最高司令官の顧問に据えた。

右派セクターが中心になって「アゾフ大隊」が創設された。その後、この武装組織は親衛隊の「アゾフ特殊作戦分遣隊」として活動する。その拠点がマリウポリ。この武装グループを当初、率いていたのがビレツキーだ。

 オデッサの虐殺から1週間後、クーデター政権はマリウポリ市に戦車などを突入させて市内を破壊、非武装の住民を殺害している。59日はソ連がナチスに勝ったことを記念する戦勝記念日で、住民は外で祝っていた。そこへキエフのクーデター軍が突入したのだ。ここからドンバスの戦争は始まる。

この制圧作戦はロシア語を話すウクライナ国民を虐殺する民族浄化作戦でもあったが、これを作成したのはアメリカ国防総省系のシンクタンク、RANDコーポレーションだと推測されている。