このところトルコのエルドアン大統領は、もっぱらウクライナ問題で善人役を演じているようだ。戦争の終結への仲介役に奔走しているのだ。これでは中東各国に軍を派遣して、戦争に加担していた人物と、同じ人間とは思いにくい。
しかし、他方ではトルコ製のドローンをウクライナに売り込み、相当なビジネスを実現しているのも間違いではない。またロシアのオリガルヒのトルコへの呼び込み作戦も、展開しているのだ。
つまりエルドアン大統領の作戦は、大声で和平を叫び、他方では小声でビジネスを進めている、ということだ。戦争は大きなビジネスチャンスであろう。今も各国がウクライナに支援金を送っており、武器も然りだ。そうした中ではトルコのような国から、大量の武器をウクライナが買い付けることも、現実的に成立するのだ。
天使と悪魔の顔を持つエルドアン大統領の本領発揮であろう。このウクライナ戦争の陰でエルドアン大統領が国内で進めている、ギュウレン派狩りは誰も注目しなくなっているし、クルド人への弾圧も然りだ。
エルドアン大統領はヨーロッパ諸国に対して、ウクライナからの難民を受け入れろ、と大声で叫んでもいる。トルコは難民支援と受け入れのお手本とでも言いたいのだろう。