『トルコのエルドアン大統領が優しい爺さんになった』

2022年3月13日

 過去数ヶ月の間これはと言った、世間を驚かすようなニュースが、トルコから伝わってこなくなっていた。エルドアン大統領はこれまで事ある毎に、他国の危機的状況に首を突っ込み、それをもっと燃え上がるようなことをやっていたのだが?

 最近では多国間紛争に首を突っ込み、仲介役を演じる機会が多くなっている。その典型はウクライナ・ロシア紛争への関与であろう。トルコのアンタルヤ市ではロシア、ウクライナ、トルコによる外相会議が開催され、トルコはウクライナ問題の解決の、橋渡しをやってのけたのだ。

 なぜトルコがとお思いだろうが、トルコはロシアといい関係にあるということだ。加えてウクライナともいい関係にあるのだから、トルコはまさに不思議な国といえよう。だがその裏にはトルコのあくなき自国利益の思惑が感じられる。

 ロシアとの関係がよくなったのは、ロシアのS400ミサイルを購入したことによろう。同じようにウクライナとの関係でも、武器が関わっているのだ。トルコは自慢のドローンをウクライナに売り込み、ウクライナに有利な状況を生み出している。

 つまり、トルコはウクライナ問題については、死の商人をやってのけているのだ。それでもウクライナにとってはありがたい話であろう。アメリカの場合はポーランドンにあるミグ戦闘機をウクライナに渡させ、その穴埋めにアメリカはF15戦闘機をポーランドに送る、という話だった。

 この話はポーランドがロシアの報復を恐れて、応じなかったために立ち消えになっている。アメリカは何時も考えが甘過ぎるのではないかと思えてならない。そんな程度の話は事前に打ち合わせる段階で、分かろうものなのに。

 さて、ではトルコはと言えば。現段階ではウクライナはトルコに感謝していると言われているが、このドロ-ンの提供はただではないのだ。しっかり金を取る算段のようだ。従ってこの先ウクライナがトルコに対して、きちんと金を支払わなければ、立ち消えになってしまおう。

 アンタルヤの平和会議は何の成果も生み出さずに終わっている。単にノロシをあげただけのことだったということだ。裏側にアメリカやイギリスがおり、他方にはロシアがいる今回のウクライナ紛争はそんな単純な話ではない。

 トルコがしゃしゃり出て何かしようとすれば、結果的には世界の笑いものになってしまうのではないのか。