トルコ大統領エルドアンは先週ドンバスを威嚇するために使うウクライナへの致命的なトルコ・ドローン販売成約に成功し、同時に、自身をモスクワ・キエフ間の平和調停者として提示するのに成功した。エルドアンの政治的身分証明書は彼に多少の画策の余地を与えるには十分規格外だ。
NATOで、アンカラは、アメリカに続き二番目に大きな軍事力だが、アメリカのパトリオット・ミサイルを拒絶し、ロシアからS-400航空防衛システムを買っている。いささか修辞的に、トルコの誰かが、この選択を「西洋からの国の解放」と歓迎した。
ロシアからのガス輸入は重要で、経済的結びつきには産業、建設投資と観光事業がある。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、彼の国を訪問するようにというエルドアン大統領の招待を受け入れたところだ。北京冬季オリンピックから戻った後、今月彼の訪問日時をクレムリンが発表するとトルコ人は思っている。
それゆえ、モスクワとの関係は常に良いわけではない。時々ひどい関係になる。2015年11月、シリアで、トルコがロシアのSu-24戦闘爆撃機を撃墜した。トルコ兵器(またもやドローン)が2020年の戦争でアゼルバイジャンがアルメニアからナゴルノ-カラバフを奪還するための猛攻に役立った。ロシアにとって戦略的地域だ。
イラン最高指導者アヤトラアリ・ハメネイの国際問題顧問アリー・アクバル・ヴェラヤティはトルコが「火に油を注いで」いると言った。最近、いくつかの報道が、12月、カザフスタンにおける暴力的反乱へのトルコ秘密情報機関の、さほど内密ではない関与を示唆している。
クルド主導下のシリア民主軍(SDF)の言葉によれば、トルコは「北シリア地域を、ダーイシュ指導者のための安全地帯に変えた」。アンカラは宿敵の声明を否定したが、対ISIS戦争に参加しないという最初の選択が多くを物語っている。
テルアビブとの関係も同様にジグザグだ。特にイスラエル国防軍の銃撃でトルコ人9人が死亡した2010年のマビマルマラ号事件以来イスラエル-トルコ関係は張り詰めている。トルコはイスラエルとの結びつきを復活させようとしていた。数日前、エルドアンは、3月中旬のイスラエルのアイザック・ハーツォグ大統領公式訪問を発表した。
経済的困難に押されて、トルコは経済と、同時に、中東でと、アメリカとの政治的立場を改善するためイスラエルと関係を正常化するかもしれない。特にこの新しい雰囲気で、本物か否か言うには余りにも早いが、アブラハム合意によってもたらされる湾岸諸国経済の開放にアンカラは賭けている。