『岡本さんを偲ぶ』

2022年1月11日

岡本秀樹という人物がいた。彼はアラブ世界に空手を広めた男なのだ。外国特にエジプトのカイロに長期滞在していたために、彼の名前が日本社会で広まることは少なかった。 

 しかし、空手業界や中東通の人たちの間では岡本さんはよく知られていた。軟弱な日本の昨今の社会では、なかなかまともな人物として取り上げられないのだ。それでもアラブ世界に空手を広めた彼の貢献は大きい。

 こうしたことから、岡本さんのところに顔を出すのは、言わば変人の類であり、私などはその典型であったろう。そのなかに毎日新聞の小倉さんもいた。彼は岡本さんのアラブでの人脈から上がって来る特殊な情報に、強い関心を寄せていたようだ。

もちろんそれ以上に岡本さんの人柄に興味があったのであろう。余談だが岡本さんは小池百合子さんのお父さんを国士として尊敬していた。お父さんの経営する日本食レストランには時折顔を出していたようだ。だがそのレストランよりも岡本さんのお宅で食わせてくれる、鮨の方が美味かったような気がする。

 岡本さんは愛国心が強く、日本のためになることは何でもやると言うタイプだった。私と彼との間にはいろんなエピソードがあったがそれは省くとして、是非今回小倉さんが書いた岡本秀樹本を読んでほしい。

 自己中心の愛情の薄いいまどきの日本人に、熱い何かをこの本は感じさせてくれるだろう。この本は少し前に出版されたのだが、最近になってプレジデントのオンラインで紹介されている。それは本の爽やかさ、岡本さんの生き方の型破りさなどが読者に感動を与えるからであろうか。

 筆者の小倉さんとはもう40年以上の、付き合いではないかと思う。最初似に会ったとき大阪で何の取材をしていたのかと聞くと、彼は「やくざの取材ですヨ」と笑って応えた。その後イラクでは戦後のどさくさのかなで、路上強盗に4000ドルほど巻き上げられたと笑って答えた。 

それだけの人物だから岡本さんにも好かれ、仲良くできたのだろう。岡本本がいま紹介されたことは、私にとっては嬉しい限りだ。最初に本が出た時にさっそく紹介文をこのブログに掲載した。どれだけ貢献できたかは知らない。

小倉さんよかったね、岡本さん貴方のフアンが増えますよ。岡本さんのような冒険ダン吉が日本に増えて行きますよ。そっちから見ててください。