『トルコはカナルイスタンブール建設急ピッチで』

2022年1月 2日

 エルドアン大統領の念願のイスタンブール新運河の、建設が急ピッチで進みそうだ。1,6億ドルの予算で進められているのだが、なるべく早く完成して金を稼ぎたい、ということであろう。

 「我々は2021年にプロジェクトを開始し、来年の議題の主な項目の1つは、カナルイスタンブールでの作業を加速することです」と、カライスマイロルは1230日にボル北西部を訪問中に言った。

このプロジェクトは、世界的な物流におけるトルコの役割を増やし、世界の海運産業に新たな衝動をもたらすだろう、と大臣は付け加えた。トルコ当局は長い間、ボスポラス海峡の能力は今後数年間で、増加する船舶の交通量を処理することができないので、カナルイスタンブールの建設は代替の航路として、必要であると主張している。

カナルイスタンブールプロジェクトでは、黒海とマルマラ海の間に人工的な海路が開かれる。都市のヨーロッパ側の市内中心部の西に開発される45キロメートルの運河は、1日に160隻の船舶輸送の容量を持つことが提案されている。

カリスマイロウルはまた、政府が進行中のインフラプロジェクトを完了し、新年に他の投資を引き受けると言った。これらのプロジェクトには、6つの州の市内ライトレールシステムと地元の電車の開発が含まれると、大臣は詳述した。

最近、トルコ政府は外国への派兵が儲からないことに、気が付いたのであろうか。武器の輸出も思いのほか伸びていないのであろう。そうなると確実に儲かるであろう運河の建設を急ぎたい気持ちは分かる。

しかし、この運河の建設にはトルコ国内でも、反対運動が動き出している。環境破壊、思ったよりも儲からないといったところであろうか。加えて、ガスや石油はパイプラインの建設が進んでおり、運河を大型タンカーが通るとは考え難い。しかも黒海は国際紛争地に繋がっているのだ。

夢想することと現実には矢張り差がある、ということであろう。これもエルドアン大統領の考えるトルコの経済改善には役にたたないかもしれない。不安が浮かぶ。