エルドアン大統領とバイデン大統領の会談は、ローマのG20サミットの際に行われたが、予定では20分程の短い会談のはずだったが、実際には1時間強のものとなった。
主要議題は2つで、一つはトルコの新規戦闘機購入問題で、これについては米がF35の供与を拒否しているため、トルコがF16の最新版を買う可能性について話し合われた模様だ。
もう一つは、シリア北部問題で、エルドアン大統領は米がテロ組織PKKを支援していることを非難した。
どうやらこのエルドアン・バイデン会談は、上手くいかなかったのではないかと思われる。当初20分の予定の会談が、1時間にも及んだと言うことは、どちらか一方が主張し続けた結果であろう。述べるまでも無くこの場合の、主張者はエルドアンであろう。彼は不満が溜まっていたのだから。
しかし、F35戦闘機のトルコへの引渡し問題は解決されず、加えて、その代金の返還も上手くいかなかった。そこでエルドアンはF16戦闘機をF35戦闘機の代わりに引き渡せと言ったが、バイデンの返事はぬらりくらりであり不明確だった。
アメリカの議会の議員たち200人以上が、F35戦闘機についてもF16戦闘機についても、トルコへの引渡しを拒否しろとバイデンに、迫っているからだ。バイデンがF35戦闘機やF16戦闘機をトルコ側に渡すことになれば、アメリカ議会内ではバイデンに対する反発が強まろう。
この問題には幾つもの理由が、背後にあるのだ。トルコがロシアから輸入したS400ミサイル・システムの基準が西側の基準似合わないという理由や、アメリカの同胞であるイスラエルの空軍力を、トルコに比べ低くしてしまう危険性もあるからだ。
アメリカとの戦闘機輸入問題がこじれる中で、トルコはロシアからのS400ミサイル・システムを再度ロシアから購入する可能性がある事を、トルコ政府の高官が口にしでいる。もちろんこれはエルドアン大統領の意向であろう。
加えて、トルコはF35戦闘機やF16戦闘機といった最新の戦闘機の技術を、盗もうということであろう。トルコは貿易面で大赤字を抱え、それを解決するには兵器輸出だと考えているからだ。何やらトルコのやり口は韓国に似ているではないか。
トルコも韓国もアメリカからは信用されない国になっているのだ。今後、経済的な圧力でアメリカにいじめられることになろう。それは案外近い将来ではないのか。