2001年10月以降、アフガニスタンに駐留した米軍兵士バイデン大統領は国民向けに演説し、「私たちは遂行不可能な課題を掲げるのではなく、明確で達成可能な目標を掲げなければならない・・・他国の体制転換のために大規模な軍事作戦を行う時代は終わった。
このような考え方や大規模な部隊投入をやめることで私たちはより強くなり、より効果的に国家の安全を保障できるようになる」と述べた。の総数は80万人であり、そのうち2300人以上が死亡し、2万660人が負傷した。アメリカが20年間でアフガニスタンに投じた費用は2兆2600万ドルを超える。
アメリカ政治のひとつの時代、全世界を自国の価値観に沿って変えようと試みたひとつの時代が終わろうとしています。事実上の戦略変更はすでに起こっています。アメリカは、中国とロシアとの根源的でシステミックな対立に移行しつつあり、今後、それを基盤に同盟国や諸外国を団結させようとするであろう。
おそらく、アメリカは中東でのプレゼンスを弱め、日本、韓国、インド、QUADなど、太平洋地域のパートナーとの同盟関係を強め、中国とロシアへの牽制として台湾やウクライナにより注力していくと思われる。
EU外務・安全保障政策上級代表のジョセップ・ボレル氏は先頃、アフガニスタンでの直近の出来事はEU独自の防衛システム構築の必要性を明確にしたと語った。ボレル氏によると、外的脅威とその対処法に関する共通ビジョンの概要と共同防衛事業の計画を規定する『戦略コンパス』コンセプトの素案が2021年10月〜11月に策定されるという。
この新たなコンセプトは安全保障と防衛問題における今後5年〜10年のEUの路線を決定するものとなる。コンセプトの素案では、兵員5000人規模の欧州緊急即応部隊の創設まで提案されている。EUの防衛能力強化には今後数年間で80億ユーロが拠出される計画だ。これは、防衛と安全保障問題においてEUがアメリカを顧慮せず、独立性を強めていく試みに見える。
欧州はロシアの主要な貿易相手のままだが、政治面では溝は深まっており、双方とも、どんどん対話から遠ざかっている。