『アメリカはアフガニスタンで何をする気か』

2021年9月17日

イデン大統領は、愉快そうに、謎めかして言った。"中国は難題を抱えている。今後どうなるか見るのは興味深い。"アメリカ合州国はアフガニスタンで屈辱的、歴史的敗北をなめさせられたかもしれないがワシントンの帝国主義計画者連中には、この悪い状況の中に明るい兆しが見えるのだ。

破壊、政治的混乱や、20年戦争の遂行に費やされた何兆ドルもの金で、アメリカ合州国は残念賞をもらえるかもしれないのだ。つまり、アフガニスタンを中国やロシアやイランや中央アジア地域にとって、不安定化が煮えたぎる大釜にして。

バイデン大統領が記者団に、アフガニスタンのタリバン支配者と中国の将来の関係について問われた際、彼は実に楽しそうに答えた。"中国はタリバンで大いに苦労する"とバイデンが言ったのだ。中国だけでなく、ロシアやイランやパキスタンもだと彼は言い足した。

タリバンの先駆者ムジャーヒディーンやアルカイダとのCIA秘密陰謀も数えれば四十年だ。だから、より適切なのは、アメリカの政治、軍事指導者連中を捜査し起訴するための国際戦争犯罪法廷開設だ。

バイデンは、アメリカ人が残したアフガニスタンのくすぶり続ける残骸が、地政学上のライバルと見なす国々、特に中国に、将来惨禍をもたらす可能性を喜んでいるのだ。815日、アメリカが支援するカーブル政権が崩壊した後、アフガニスタンの支配権を取り戻して以来、タリバンに対し、北京やモスクワやテヘランは慎重に手を差し伸べている。

実際、たとえばモスクワは、依然公式には、タリバンをテロ組織に指定しているとは言え、数年前に、様々な当事者たちが連絡網を確立している。今週タリバンが公表した暫定政権は、カーブル新政権は、2001年のアメリカ侵略以前に支配していた戦士集団の守旧派に支配されており、懸念を引き起こした。

 アルカイダや東トルキスタンイスラム運動に所属するテロ・ネットワークと手を切るよう中国はタリバンに促している。後者は、アフガニスタンと国境を接する中国西部の新疆自治区で長年テロ行動をしているウイグル族聖戦士の保護組織だ。ウイグル族分離主義者は、タリバンの同意を得て、アフガニスタンに隠れ場所を得ている。

中国はタリバンと外交的に関与しており、戦後再建のために、アフガニスタンへの膨大な資本投資を約束している。北京の観点からは、これは単なる安全保障策ではない。アフガニスタンは、ユーラシア経済開発を結びつける中国の一帯一路構想の重要な要の位置にある。

 タリバンにとっても、中国や他の地域の国々と提携するのは道理にかなっている。彼らは統治を強化するのに必要な国際的承認を得ることができる。再建のため酷く必要な資金が得られるのだ。しかも、北京は、アフガニスタン内で、中国の意欲的経済計画を脅かす他のテロリストの脅威にも直面している。

  パキスタン南西部のバルチスタン州での中国外交官や労働者に対する破壊的攻撃が増加している。攻撃は、バルチスタン解放軍やパキスタン・タリバン運動と呼ばれる他の組織によって実行されていると報じられている。これら集団は、石油豊富なペルシャ湾やアラビア海やインド洋と結ぶ南部パキスタンのグワダル港まで広がる中国-パキスタン経済回廊を破壊するのが動機だ。

この回廊は、中国の大陸横断経済拡大のためのもう一つの重要なリンクだ。バルチ族戦士は、タリバンの拠点であるカンダハール市を本拠としており、少なくとも過去にはタリバンに支持されていた。

二十年前ワシントンがアフガニスタンに侵攻した動機は、いかがわしい9/11テロ事件に対する報復というより、ほぼ確実に、中国とロシアの裏庭で地政学的支配を確立するのが狙いだったのだ。

軍事的に、アメリカのアフガニスタン占領は悲惨な失敗となり、将来何世代ものアメリカ人に目玉が飛び出るほどの代償をもたらした。アメリカの帝国主義戦略家連中にとっては、アフガニスタンという悪名高い帝国の墓場は徹底的敗北ではない。今週、バイデン大統領は、愉快そうに、謎めかして言った。"中国は難題を抱えている。今後どうなるか見るのは興味深い。