日本政府はタリバン体制の支配するアフガニスタンに対して、2億ドルの援助を行う方針を決めたようだ。これはさもありなんという感じだ。何故ならばアメリカもタリバン支援で動いているからだ。
アメリカ政府はだいぶ前から、カタールで行われる交渉で、タリバンと種々の合意に至っていた。だから軍を含めてアメリカ人がアフガニスタンから、撤退することがスムーズに進んだのだ。
述べるまでも無い、アメリカがタリバン重視に舵を切ったのは、同国が持つ地下資源が目的であり、中国の台頭を阻止する考えからであろう。アフガニスタンと中国との関係が進めば、中央アジアにも大きな影響が及ぼそう。
それでもタリバンが勢力を増していくことは、周辺諸国にとって頭の痛い問題のようだ。既にインドはカシミール問題への、タリバンの影響拡大を恐れている。カシミールはインドがパキスタンともめている地域だが、そこにタリバンが手を出して来れば、パキスタンは有利になるからだ。
それは同時に中国にとっては、好都合な話であろう。中央アジア諸国への影響を、ロシアは警戒しているが無理もなかろう。タリバンのメンバーにはトルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタンなどからの参加もあるのだから、当然これらの国内にも影響を及ぼすことになろう。トルコも実のところ、アフガニスタンへの対応を巡っては、読みきれていないのではなかろうか。どうもトルコの意見は、人道などという綺麗ごとで、ごまかしている感じがするのだが。
日本がアメリカ追従でタリバンを支援するのは、人道的見地からであろうか。あるいは他の目的なのか、アメリカに対する盲従だけなのか分からない。
問題はこれまでに日本が行なってきた、アフガニスタンに対する貢献を生かし、日本人の安全を確保してもらいたいものだ。中村氏に対する評価はタリバンのなかでも高いようだ。