『タリバン権力奪取で得する国』

2021年8月17日

 あっという間にアフガニスタンのカブールは、ガニ政府ではなくタリバンの手に落ちた。首都カブールの空港は国外に脱出する人たちで、大混乱という情報が伝わってきている。それはあたかもベトナムの、サイゴン陥落のときのような状況であろう。

 こうした中で、アメリカや西側諸国とは異なり、タリバンの勝利を喜んでいる国々もある。それらの国々とはイラン、ロシア、トルコ、パキスタン、カタール、中国などだ。これらの国々はこれまで、タリバンを厚遇して来ていた国々だ。

 タリバンの創設者ムラー・オマールの息子ヤクーブは、トルコと緊密な関係を築きたいと言っている。ヤクーブはまた、グループはエルドアン大統領が彼らに敬意を払うことを期待していると言っている。「トルコは多くのアフガニスタン人を受け入れ、緊密な関係を築きたいと考えている国です。我々はトルコを同盟国であり、敵ではないと考えている。」というのだ。

トルコなど他の国々は、ポスト・アメリカン・アフガニスタンで役割を果たそうと考えている。カタールとトルコは、イスラム教徒グループとのつながりと、極右のイスラム運動に対する、一般的な支援のために恩恵を受けるが、イランは米国が玄関口を、離れるのを見て恩恵を受ける。

イランはまた、アメリカをイラクから追い出すことを望んでおり、アフガニスタンの混乱を利用して、アメリカにイラクを離れるよう押し進めるだろう。トルコはシリアでロシアとイランと協力して、米国を離脱させようとする。これらすべての国は、アメリカが地域から去ってほしい、ということに同意している。

国連安全保障理事会で重要だ。ロシアと中国の支援を受けて、タリバンは必要な国際的な影響力を得て、最終的にはより広い認識を得ることができる。その意味で今週報じられているタリバン当局者と、ロシア特使との会談は重要だ。

ロシアは南側を含む中央アジアも確保したいと考えている。つまり、アフガニスタンの混乱は広がってはいけないということだ、彼らはアメリカが地域から去ることを望んでいる。彼らはアメリカに恥をかかせたい。彼らはまた、アフガニスタンを流れる可能性のあるエネルギーと鉱物資源を共有したいと考えているのだ。

そもそも、アメリカとタリバンとの関係が悪化したのは、アメリカのコノコ社が考えていた、中央アジアのエネルギ-を、インド洋に搬出する計画が、駄目になったからだった。