『リビア新和平協議開始近い?』

2021年8月12日

 リビアはいま、何とか平和な状態を、生み出そうと必死のようだ。ドベイバ首相の対抗馬である反対派のハフタル将軍側との、妥協を生み出そうとしている。しかし、それは容易ではあるまい。和平のための会議はインターネットで行なわれ、次いでスイスへと会議場を移すことになっている。

 いまの段階では表向き、議会選挙と大統領選挙を支配する、憲法上の枠組みに合意しようとしている模様だ。

 だが、それよりも西側リヒア政府GMAと東側リビア政府LNAの後ろには、多くの大国がついており、GMAとLNAがどんなに和平の実現を急ごうとしても、そう上手くはいくまい。リビアの和平を実現しようといいながら、実はこのスポンサー諸国は、リビアの石油資源を狙っているからだ。

 ひのき舞台から引きずり下ろされたトルコですら、最近になってリビア政府に「付けを払え」と大声を挙げている。確かにトルコは西側リビア政府に、大量の武器と傭兵を送り込んでいたのだから、その出費は巨額に上ろう。 

 もちろん、トルコは売上代金を回収するだけでは引くまい。リビア国内にトルコ軍の基地を永久に維持したいと考えていようし、戦後の復興に大挙してリビアに向かいたい、ということであろう。

 それはアメリカもフランスもロシアも、考えていることは皆同じだ。リビアの財政はいまは赤字だが、一端石油が正常に生産されるようになれば、たちまち余裕が出てくる国なのだ。それを誰もが狙いながらも、表向きは「リビアの平和」を口にしているのだ。