『アメリカはイランと関係を修復したいのか』

2021年8月 6日

 アメリカはイランとの関係を修復したい、と思っているのではないだろうか、と思うようになって来た。それはやはりイランの石油が、目当てだからであろうと思われるからだ。イランには各種の制裁が行なわれたことで、石油はあまり生産されなかった。

 しかし、アメリカと関係のいいサウジアラビアは、アメリカの意向に沿って、大量の石油を生産し続けてきた。サウジアラビアの埋蔵量は2600億バレル、という量はこのところ20年ほど、減っていないのだから不思議だ。

 だが、それは嘘であり、確実にサウジアラビアの石油埋蔵量も、減少しているのであろう。一部石油専門家に言わせると、サウジアラビアの埋蔵量は既に、1000億バレルまで落ち込んでいる、と言うことのようだ。そう言われると納得がいこう。

 中東の石油はイランが一番多く、次いでイラクなのではなかろうか。サウジアラビアはアメリカが言うままに、石油を大量生産し、膨大な量の武器をアメリカから輸入し続けてきていた。それがアメリカの経済を支えていたのだ。

 だが、そのサウジアラビアに武器を売りつけることは、同時に中東地域の不安定化を生み出してもいた。アメリカにそそのかされて始まった、イエメンとサウジアラビアとの戦争は長期間に渡り、多くのイエメン人を犠牲にしてきた。

そうしたダーテイな助言はそろそろやめよう、ということであろうか。他方、イランはというと核開発が進み、大量のウラン濃縮が進み、核兵器を製造できる段階に、入ってきている。

 これに困惑しているのは、アメリカの第一番の友好国であるイスラエルだ。イスラエルではこれを危険と見なし、ガンツ国防相が『イランは10週間で核兵器を製造できる』と言い出している。その危険からイスラエルを守るには、先制攻撃しかないというのだ。

 そうなれば中東地域はイランとイスラエルだけではなく、極めて危険な情況に陥るということであろう。加えて、イランはミサイル開発ドローン開発と、多くの新型兵器の開発にも成功している。

 イランはいまでは、自国製の長距離ミサイルに核兵器を搭載し、イスラエルに向けて発射するのももうすぐのことになっている。.それ以外の通常爆弾なら、今日にでも出来ることなのだ。通常爆弾に加え、科学兵器の搭載も考えられよう。

 アメリカはここに来てイランを、なんとかてなづけて、危険を除去する気のようだ。その辺のアメリカの事情を、イランは充分に分かっており、核交渉の再開を望むと言いながら、アメリカにひざまづくことはない、と言ってみせている。新しくイラン大統領に就任したライシは、アメリカを締め上げていくことであろう。