かつて大英帝国はアフガニスタンに軍を、進め敗退している。続くソビエトも世界的に大軍事大国であったにも拘らず、結局は敗退した。そして今、アメリカも20年の長きに及ぶ駐留を止めて、撤退を始めている。
一体何が世界の強国をおびえさせ、アフガニスタン攻略を諦めさせているのであろうか。アメリカの20年のアフガニスタン駐留は、大きな付けを後に残しているようだ。バイデン大統領は25000人を超える、元アフガニスタン政府の職員や、アメリカ軍関係者をアメリカに引き取らせ、大分弱まっているアフガニスタン政府を支援するために1億ドルの資金を出すと言っている。
アフガニスタン人が大挙してアメリカに亡命すれば、彼らに可能な仕事は、麻薬の密輸入か、じゅうたんの商いであろう。そうなると、阿片やハシシが大量に、アメリカに入るということだ。
トルコではつい最近、714トンの阿片が摘発されている、膨大な量ではないか。これもアフガニスタン人と結託した、トルコ人の闇取引の結果であろう。トルコの場合アフガニスタン人は難民などの名目でいるわけだが、アメリカの場合は正式に、移住が認められることになる。
バイデン大統領は月31日を持って、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退を、完了すると言っているが、実質はそうはならないようで、既に何の変化も起こるまいと伝える報道もある。テロ対策や軍事の専門家を残し、傭兵を残すのだから、あまり変わらないことは予想できる。
しかし、これから先のアフガニスタンはと言うか、アフガニスタンに残るアメリカ人は、地獄の真っ只中に放置された、状態になるのではないか。その事をよく知っているトルコは、カブール空港防衛の役を引き受け、それにはアメリカにカネを出せと迫っている。
しかし、トルコが言うようなイスラム教徒同士、というアフガニスタンのタリバン説得は、効果を生まないだろう。アフガニスタンに残存するトルコ兵は、やはり地獄の炎に燃やされる、ということではないのか。
夏は炎熱地獄、冬は厳寒の地アフガニスタン。そして麻薬のはびこる地域では、外国兵は麻薬におぼれることであり、それは戦闘意識を弱めよう。しかも、山岳地帯のアフガニスタンには、高度な武器など持ち込めまい。