最近、トルコの人気が高い日刊新聞サバーや多くのトルコ放送局が、2021年6月14日、ブリュッセルでのエルドアン大統領とアメリカ大統領バイデン会談の肯定的な結果について熱狂的に報じた。
報道によれば、トルコ大統領は議論は「率直だった」と述べた。彼は政策上の要点について包括的な意見が交換されたとも述べ、双方の意見が合わない問題や、共通の関心がある「地域での協力の機会」が建設的な形で論じられた。
トルコ大統領は、両国の効果的協力が必要な地域での共同事業は、また別の会談の話題だと指摘した。「相互尊重と関心に基づいた生産的な協力を始める強い意志があると私は思う。トルコ・アメリカ間関係で、解決できない問題はないと思う」とエルドアンが補足した。
トルコ日刊紙エブレンセルが、2021年6月16日に掲載した記事も、最近のトルコ、アメリカ大統領の会談を積極的に報じている。NATO会議と、バイデンとの二者会談が、AKP(正義進歩党)政権が「今後進む」方向を決定したと言う。著者は、ロシアとプーチンは、もはやトルコの親友ではなく、トルコは「アメリカと同盟国の、ロシアを包囲し、弱体化させる政策の積極的な支持者」になったと述べた。
サバーの記事が「元アメリカ当局幹部者が率いる集団が、反トルコ宣伝を流布するTurkish Democracy Projectと呼ぶ組織を作った」と述べた。筆者によれば、この集団のメンバーには「前国家安全保障担当補佐官ジョン・ボルトン、ジョージ・W・ブッシュ前合衆国大統領の弟ジェブ・ブッシュ、元イタリア外務大臣ジュリオ・テルツィ・ディ・サンタアガタ」がいる。立ち上げられたた際、この組織には後にプロジェクトをやめた(イスラム教説教師フェトフッラー・ギュレンが率いる)テロ集団FETÖメンバーが二人参加していた。
ヒュッリイェト新聞のネディム・シェネルの意見では、Turkish Democracy Projectの標的はトルコ指導部だ。彼は、アメリカ国内の連中を含め、トルコの敵が、トルコの現指導部を弱体化させることを狙って、民主主義の見せかけの下で作戦を計画しており、これは、通常、次に、流血、大虐殺、崩壊と移住をもたらすと考えている。
最近のトルコのサバー新聞記事が、アメリカの支配層エリートが「エルドアン大統領政権を打倒するため、クーデターを含め、あらゆることをして」いると直接述べた。アメリカ政策の特定の側面を激しく批判する多くの報道がある。
例えば、ミッリイェトの7月1日記事は、自身の目的のため、テロ組織を作り、利用しているとアメリカを非難した。筆者によれば、(ロシア連邦で活動を禁止されている集団)DAESHに反対して戦っている(アメリカを含む)対テロ連合唯一のメンバーはトルコだ。
アメリカは「この組織を完全に排除する」のに、あまり熱心に見えない。「実際、DAESHは、アメリカに作られ、どこでも、アメリカが好きな時に使える万能スパナのような便利な道具だ」と、このジャーナリストは書いている。
バイデンは、地域での石油活動に関するものを含めて、トルコは「東地中海で、アメリカ同盟諸国と協力して孤立させ」させなければならないと強調した。当時、彼は、野党、トルコ・クルド人と、政治制度やプロセスにおける関与同様、彼らの統合を支持すると主張した。バイデンがトルコ指導部を変えるのを支持する表明をしているのを示す多くのオンライン・ビデオがある。
四月ヒュッリイェト新聞は、この観点を裏付ける例をあげて、バイデンの標的はエルドアンだと述べる記事を掲載した。報道は、2019年12月のニューヨーク・タイムズ編集者とバイデンの会話の下記抜粋を載せた。
「今我々は彼(エルドアン大統領)に対して全く違う手法を適用しなければならない。我々は野党指導者を支援しており、我々にロードマップがあるのを、はっきりさせる必要がある。我々が何を考えているか、我々は声を上げる必要があり、彼は代償を支払わなければならない。
いまだ存在しているトルコ指導部分子を利用し、彼らがお互い直接連絡をとり、エルドアンを打倒できるようにさせる必要がある」。ヒュッリイェト記事の筆者によれば、バイデンは、まさに彼が言ったことをしているのだ。彼の狙いは、反政府派が、エルドアン大統領を打倒すると希望して「トルコ内で分極化と対立を激化する」ことに思われる。