『アメリカ軍のアフガン撤退とその後』

2021年6月30日

アメリカ軍がアフガニスタンから撤退を決め、あたかもアフガン戦争は終りのようなイメージを世界中に与えているのだが。アメリカはアフガニスタンからの完全後退を約束した。だがいまアメリカは、カーブル国際空港支配を維持し続けて、足場を維持する計画だ。この計画は失敗する可能性が高い。

 ソ連軍がアフガニスタンを撤退した際、彼らが支援していた政府軍は、更に三年持った。やがて、ソ連は全ての支援を切断したが、アメリカは様々なパシュトゥーン族指揮官やムジャヒドーンを支援し続けた。ソ連の再補給がないため、政府軍は諦めなければならなかった。

いまアメリカ占領軍は撤退しつつある。だが彼らが後に残すアフガニスタンの政府と軍隊は、ソ連が支持していた軍隊より、生き残る用意は遥かにお粗末だ。いまタリバンの支配奪還の速度から、アフガニスタン政府軍が完全崩壊するまで、わずか数カ月しかかかるまいと予想されている。

  アフガニスタンには約400の地区がある。タリバンは既に地方の50%以上を支配して長いが、通常各地区中心の掌握は控えていた。それがいま変化している。今年51日から614日の間にタリバンはアフガニスタンの34地区支配を掌握した

先週彼らは、更に一ダースの地区、日曜日だけで、四地区を掌握した。タリバンが掌握した地区の多くは、主にパシュトゥーン族地域ではなく、ウズベク人や、タジク人や、他の少数民族の北部だった。彼らは兵士に、武装解除し、名前を登録するよう頼むだけだ。タリバンは故郷に帰るのに十分な金を彼らに与える。

ソ連製の古びたMI-19が何機かまだ飛んでいる。アフガニスタン人はほとんど自身で、それらを維持できる。何年も前、アフガニスタンはロシアから更に多くを買いたいと望んだ。だがアメリカ議会が介入した。

兵器圧力団体はアフガニスタン空軍は、アメリカ製航空機を買って飛ぶべきだ、と要求した。60機のブラックホーク・ヘリコプターや、他のアメリカ製航空機が出荷された。これらはロシア製のものより能力が劣り、複雑で高価だった。

アフガニスタン人はそれを維持する能力を持っていなかった。アメリカ請負業者がそのため雇われた。だがいまそれら請負業者は、アメリカ兵と共に去る。毎日何百人もの兵士が降伏し、タリバンに歓迎されてる。

彼らはタリバンが次の作戦で使える膨大な量の武器やトラックと弾薬をタリバン側に渡すのだ。タリバン支配する地区を奪還する政府軍による試みは失敗している。アフガニスタン軍は士気を失っており、陣地を保持するために必要な支援を得られない

アフガン政権はまもなく崩壊するだろう。中国はこれを認識しており、中国人に国を去るよう奨励している。一週間前、トルコのエルドアン大統領は、カーブル国際空港を「しっかり守る」ためトルコ軍が使えるという考えを持ち出した。

この考えはワシントンDCから始まったように思われた。エルドアンの発表後、タリバンは即座にそれを拒絶した。アメリカ主導のNATO軍撤退後、カーブル空港を警備し運営するというアンカラ提案を実質的に拒絶して、アメリカ軍撤退の2020年合意の下、トルコはアフガニスタンから軍隊を撤退させるべきだ、とタリバン報道官が木曜日に述べた。

また、パキスタンのイムラン・カーン首相は、アメリカがアフガニスタンの作戦のために、パキスタンを基地として使うことを断固認めないと述べている。しかし、アメリカが支配するIMFの融資を必要としているので、パキスタンはCIA基地を受け入れるよう圧力を受けた。

だが中国は、アフガニスタン内や周囲で、これ以上のCIA干渉を望んでいない。去年アメリカは、東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)をテロリスト・リストから外した。中国は、アフガニスタン内、あるいは付近で、CIAが、過激派ウイグル族のETIM軍を訓練し、装備させ、新彊で問題をかきたてるのを恐れている。

更なるアメリカの圧力を避けるための十分な支援を、中国はパキスタンに提供したように思われる。アフガニスタンの周囲にCIAを支援するのをいとわない他の国々がないので、アフガニスタンに滞在する方法を見つける必要があった。カーブル空港のトルコ支配は、アフガニスタン内でドローンを維持し、地上ネットワークと連絡をとるのを可能にするだろう。

どうやらアメリカ軍オアフガニスタンからの撤退と、その後の対応は成功しなそうに見えるのだが。