『エジプトがリビアに本腰攻勢』

2021年6月18日

 エジプト政府はリビアのベンガジ市に、エジプトの一般情報院(GIS)のアッバース・カーメル長官を派遣した。アッバース・カーメル長官は木曜日、ベンガジでリビア国軍フィールド元帥ハリファ・ハフタル総司令官と会談し、協力の強化について話し合った、とGISは声明で伝えている。

 アッバース・カーメル長官はエジプトのシ-シ大統領からの、ハフタル将軍へのメッセージを伝え、リビア軍の安定とテロとの戦いの努力を称賛した。両当局者の会談で、アッバース・カーメル長官は、リビアの安定を支援する、エジプトの努力が続いていると主張し、テロとの戦いにおけるリビア軍の努力と犠牲に対するエジプトの感謝を表明した。

ハフタル将軍は、シーシ大統領のリビアに対する懸念と、エジプトがリビアに安定を取り戻す努力の成功を、確実にするために果たしている、ハフタル将軍の影響力のある役割に対して深く感謝の意を表明した。

木曜日に、アッバース・カーメル長官はトリポリで、リビアのアブドゥル・ハミド・ドべイバ首相と、他のリビア当局者を交えて会談し、国に安定をもたらす彼らの努力を称賛するという内容の、シ-シ大統領からのメッセージを伝えた。

何のことはない、これはトルコのリビア関与が強力であるために、エジプトとしては自国のリビア関与を強めよう、ということからの動きであると思われる。トルコとエジプトはリビアへの関与を、どちらが優位にするかを、争っているということだ。

それは述べるまでもなく、リビアの持つ石油資源の生産が、復活した段階での、リビアの持つ経済的価値を、認めているからであろう。最近、リビア国内事情は安定化の方向にある、とみなされているだけに、今後はますます、そのトルコとエジプトのリビアに対する覇権争いが、激しいものとなっていこう。