『金に纏わる二つの国の話』

2021年6月 3日

 世界は何処でも経済的に、追い込まれているようだ。それは、コロナが原因とされているが、それだけではあるまい。世界的な経済の後退が、相互に影響し、動きが鈍くなっているのであろう。

 最近、面白いニュースがイランとトルコから、伝わってきている。イランからは外貨を所有していることが、公然と認められたというニュースが、伝わってきている。イランの場合はイランの最高の経済政策決定機関は、外国の現金と貴金属の持ち運びの制限を解除する。

イランの最高経済決定と政策決定権限は、インゴットの金、銀、プラチナをあらゆる形態の輸入関税から免除する一方で、昨年6月に外国の現金を運ぶことに課された制限を解除した。

これらの移転はイラン中央銀行(CBI)が採択した、法律や規制を遵守し、マネーロンダリングとの闘いに関する、イランの法律と一致すべきであると述ている。CBI20206月、個人が10,000ユーロ以上の外国紙幣、またはその他の外貨での外国紙幣の保有、持ち運び、または交換を宣言する必要があると発表しました。

イランの中央銀行は、個人は10,000ユーロ以上の外国現金を運ぶことをする必要があると言ってまた、金、銀、プラチナなどの完成品に課される9%の付加価値税を含む、全ての関税と税金の支払いを、免除されることになった。

 これは単純に考えると、イランの外貨事情が改善されている、ということであろうか。あるいは国民の不満解消の、大統領選挙前の政府の政策なのかもしれない。

 

 トルコの方はと言えば、トルコ政府は国民に対して、トルコ・リラを買うよう働きかけている。現金はドルやユーロなどではなく、トルコ・リラで持てということだ。外貨はトルコの場合、安全な通貨として誰もが胎蔵しているものだ。

しかし、トルコのリラはこれまで、政府の方針で何度も、上下を繰り返してきている。トルコ政府はそうすることで、外国からの投資を煽って呼び込んできていたのだ。今回の場合は、外貨ではなくトルコ・リラで持て、という呼びかけは、政府にドルが少なくなってきたからであろう。それが単純な判断だ。