『バイデンはシリア石油盗掘止めるか』

2021年5月29日

 トランプがアメリカの大統領だった次期に、彼はシリアの占領地で出る石油を、盗掘することを正式に決定していた。彼はアメリが軍がシリアから撤退した後も、アメリカの石油会社に盗掘を継続させる、という決定を出していた。

 その理屈はアルカーイダやIS(ISIL)などが、シリアの石油を手に入れることによって、危険度を増すことを押さえるためだ、と説明していた。しかし、実際には石油収入を得られなくなったシリアは、国民への充分なケアが出来なくなっていたのだ。

そのうちにアメリカが言い出したのは、敵対するシリアの経済を追い込めば、抵抗は低下するというものだった。いずれも、常識では納得のいかない話ではないか。一部政府筋の人物は、トランプ大統領が20204月にデルタ・クレセント・エナジー(DCE)に与えた許可は、延長されないと語った。

 トランプの「石油を守る」メッセージは、もはやバイデン政権下での米国の外交政策ではなくなり、シリアの石油生産を促進するために、米軍を使用することは不適切だとしているようだ。

 だが、ガルフ・サンズ石油の幹部ドリエは、同社が米国の地域同盟国に石油を販売する保留中の契約で、約20億ドルの権利を持っている、と警告している。彼は元軍幹部の人物だ。

他方、シリアのバッサム・トーメ石油・鉱物資源大臣は318日、アル・イフバリヤ・テレビに対し、米国とそのタクフィリ同盟国が、石油を略奪していると語り、アメリカ政府が石油が豊富な北東部の原油埋蔵量の、90%を支配していることを明らかにした。

 バッサム・トメ石油・鉱物資源大臣「アメリカ人とその同盟国は、海賊と同じようにシリアの石油と、そのタンカーを標的にしている」と言っている。彼は、シリアの石油セクターへの直接的かつ間接的な損害額は、920億ドル以上に達していると指摘している。

 昨年6月、アメリカは、シリア政府の収入を追い詰めるという目的で、シリアに対してこれまでで最も厳しい制裁となる、シーザー法を制定した。この制裁は、ダマスカスとの外国企業の取引を禁止することで、戦争で荒廃した国の経済を、ますます苦しいものにしている。

米国主導の連合軍のヘリコプターは、多数のテロリストをシリア東部の油田に移送したと伝えられている。米国とヨーロッパ人は既に、シリアへの輸出と投資、石油や炭化水素製品に関する取引を禁止していた。シリアは、この措置の真の目的は、シリア人とその生活に圧力をかけることだと反発している。