トランプがアメリカの大統領だった次期に、彼はシリアの占領地で出る石油を、盗掘することを正式に決定していた。彼はアメリが軍がシリアから撤退した後も、アメリカの石油会社に盗掘を継続させる、という決定を出していた。
その理屈はアルカーイダやIS(ISIL)などが、シリアの石油を手に入れることによって、危険度を増すことを押さえるためだ、と説明していた。しかし、実際には石油収入を得られなくなったシリアは、国民への充分なケアが出来なくなっていたのだ。
そのうちにアメリカが言い出したのは、敵対するシリアの経済を追い込めば、抵抗は低下するというものだった。いずれも、常識では納得のいかない話ではないか。一部政府筋の人物は、トランプ大統領が2020年4月にデルタ・クレセント・エナジー(DCE)に与えた許可は、延長されないと語った。
トランプの「石油を守る」メッセージは、もはやバイデン政権下での米国の外交政策ではなくなり、シリアの石油生産を促進するために、米軍を使用することは不適切だとしているようだ。
だが、ガルフ・サンズ石油の幹部ドリエは、同社が米国の地域同盟国に石油を販売する保留中の契約で、約20億ドルの権利を持っている、と警告している。彼は元軍幹部の人物だ。
他方、シリアのバッサム・トーメ石油・鉱物資源大臣は3月18日、アル・イフバリヤ・テレビに対し、米国とそのタクフィリ同盟国が、石油を略奪していると語り、アメリカ政府が石油が豊富な北東部の原油埋蔵量の、90%を支配していることを明らかにした。
バッサム・トメ石油・鉱物資源大臣「アメリカ人とその同盟国は、海賊と同じようにシリアの石油と、そのタンカーを標的にしている」と言っている。彼は、シリアの石油セクターへの直接的かつ間接的な損害額は、920億ドル以上に達していると指摘している。
昨年6月、アメリカは、シリア政府の収入を追い詰めるという目的で、シリアに対してこれまでで最も厳しい制裁となる、シーザー法を制定した。この制裁は、ダマスカスとの外国企業の取引を禁止することで、戦争で荒廃した国の経済を、ますます苦しいものにしている。
米国主導の連合軍のヘリコプターは、多数のIS(ISIL)テロリストを、シリア東部の油田に移送したと伝えられている。米国とヨーロッパ人は既に、シリアへの輸出と投資、石油や炭化水素製品に関する取引を禁止していた。シリアは、この措置の真の目的は、シリア人とその生活に圧力をかけることだと反発している。