トルコの大統領選挙を前に入り、新たな動きがトルコ内では起こっている。野党が連合を組み始めているのだ。エルドアン大統領に対する支持が減ったことも、そうした野党の動きを、生み出しているのであろう。
エルドアン大統領率いる与党AKPは、2018年の選挙では42パーセントの支持票を獲得していた。いまではそれは昔話に、なっているのであろう。今度の選挙でそのような得票をすることは夢のまた夢であろう。
そこで野党の動きに負けじと、エルドアン大統領は弱小政党に呼びかけ、連帯関係を構築しようとしているようだ。その一つはフェリシテ党で、SPとも呼ばれているまさに弱小政党であり、この党への支持率は1,3パーセントに過ぎない。
この党の代表的な人物であるアシ・トルコが、エルドアン大統領と何度か会合を持っている。エルドアン大頭領が彼を宮殿に招待し、しかも、アシ・トルコの宮殿訪問時には、外国の要人が訪問した場合にのみ使用する、ブルーの絨毯を通路に敷いた、という歓迎振りであったようだ。
だが、アシ・トルコのフェリシテ党の他の幹部、野党連合に興味が有るようだ。フェリシテ党は、主要な野党共和党人民党(CHP)や、善良(İYİ)党と共に、同盟を構成する第三者であり、クルド人少数民族の間で大きな支持を得ている、人民民主党(HDP)からも外部の支持を受けているということのようだ。
もう一つの動きは、新しい政党、特にDEVA党〈元蔵相のアリ・ババジャンが結党〉と未来党GP〈ダウトール元首相が結党〉の存在だ。エルドアン大統領と別れた元AKP重鎮によって設立された、2つの中道右派政党を引き込むために、一連の協議が行われる予定だ。
世論調査によると、彼らの二つの新党の合計支持率は約4%で、DEVA党の代表者アリ・ババジャンは新しい方針として、エルドアン大統領が決定した大統領制ではなく、議会制民主主義に戻すつもりでいる。エルドアン大統領が決めた大統領制は、まさに独裁制を生み出す、元となっているため、この案は国民から広く、受け入れられよう。
こうしたことからか、ユーラシア公共研究センター(AKAM)が実施したある世論調査によると、再選でエルドアンに投票すると答えたのは29.7%に過ぎず、48.5%は間違いなく投票しない、と答えているということだ。
どうやらエルドアン大統領の人気は大幅に下がり、再選は難しくなってきているのかもしれない。そうなると韓国同様に、大統領が辞任した後には、辞任した大統領が逮捕され、投獄されることが待っているかもしれない。