『トルコの新運河建設は狂気の沙汰か』

2021年5月 1日

 トルコのエルドアン大統領が、ボスポラス海峡の混乱から、新運河の建設を思い立ち、既に建設に取り掛かっているようだ。この運河は全長45キロあり、予算は750億リラ(1リラは約13円)ということだ。  

 これには1550万人の大人口を有する、イスタンブールシを大地震が襲った場合の、混乱に備えるという、立派な理由が付いている。しかし、野党CHPのイスタンブール市長は、エルドアンの運河建設動機は金以外の何物でもない、と語っている。

 モスクワと元トルコの提督たちは、ボスポラス海峡とダーダネル海峡を通過する、厳しい条件を定めた1936年のモントルー条約の条件の下に、新しい運河を置くようにエルドアン大統領に迫っている。

 この運河の最大の外国人批評家はロシアで、エルドアンは2014年にロシア政府がウクライナのクリミア半島を併合した黒海に、NATOの軍艦が通過する新しい方法を構築していると懸念している。

 ニューヨークのグローバル・ソース・パートナーズ調査会社のトルコ専門家、アティラ・エシラダは、エルドアンはワシントンとのより良い関係を、交渉する手段として、新しい運河を構想したかもしれないと語った。

「エルドアンは、ロシアの武器の購入のためと、トルコが受けた制裁のために、北大西洋条約機構(NATO)船の、黒海への自由な通路をトレードオフすることを、考えている可能性がある」と語った。プーチン大統領が今月、エルドアン大統領との電話会談で、1936年の協定を維持することの「重要性を強調した模様だ。