『トルコ農業水不足で大変』

2021年4月24日

 トルコはいま、水不足で危険な情況に、陥ろうとしている。トルコの農業は地下水を汲み上げて、カバーしている割合が大きいため、これまでの地下水利用が、地面の陥没を生み出しているのだ。

 その地面の陥没のあとは、バスが一台丸ごと飲み込める規模だ、というのだから恐ろしい話ではないか。そのような陥没の穴が、トルコ平原の各所で見られる、ということのようだ。

 その陥没の穴が農地から次第に、住宅地に移動しており、ある日、突然住宅が飲み込まれてしまうという事態も、起こりうるということだ。こうした地面に陥没の穴が見える現象は、既に、10~15年前から続いている、と農民のターシン・ギュンドウは語っている。

 フェイトッラー・アルク教授はコンヤ平原のシンク・ホール(穴)は、600以上に上っており、コンヤ工科大学のシンク・ホール・センターの調査では、このシンク・ホールが昨年の350から約二倍に増えているということだ。

 地下水を汲み上げるために、電気代が必要であり、その消費量が増えているということだ。以前は一日2回の散水であったが、いまでは5~6回に増えているということだ。それは電力の消費を増やすことであり、農民は電気代の負担に、苦しめられる状態に、陥っているということだ。

 ベシェヒル湖の水量も、2020年の4億5000万トンから、今年は1億2300万トンに減少する、と見込まれている。従って、この水対策はコンヤ地域にとって、最重要課題となっているのだ。述べるまでも無く、水の消費の77パーセントは農業用、となっている。

 水不足が顕著になっている原因としては、乾燥が悪化しているということに加え、河川、貯水池、地下水の水位が下がっていることにある。エルドアン大統領は先月、初の水フォーラムを開催し、『農業灌漑システムの更新と改善』を約束している。

 しかし、会議でどうなるという種類の、問題ではあるまい。イスラムの神アッラーにお願いする方が、よっぽど効果があるのではないか、と思われるのだが。いずれにしろ、水不足は世界で一番美味いといわれる、アナトリアの小麦生産量を減らし、美味しいパンが食べられなくなる、ということだ。それは、食糧不足を生むことであり、トルコのエルドアン体制の、不安定化にも繋がろう。