『幾つかの中東重要報道』

2021年4月16日

:アメリカ政府はアフガニスタンから、軍を撤退させると発表した。しかもバイデン大統領はそれを、9月11日までに行うといっている。撤退させたアメリカ軍はその後どうなるのかと言うと、国防総省は同盟国と、おそらく隣国のタジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタンに、軍隊を再配置する場所について、話し合っている。

ペルシャ湾、インド洋、さらにはアメリカの陸上基地から飛ぶ空母や、長距離爆撃機に乗った攻撃機は、武装監視ドローンによって発見された、反乱軍の戦闘機を攻撃する可能性が、あるとうことのようだ。

しかし、これにはリスクがある。反乱軍の脅威に関する情報の大部分を提供してきた、アフガニスタンの指揮官は、米国が撤退した後に崩壊し、埋めるために大きな穴を残す可能性があると行っている。

北大西洋条約機構の任務における役割に加えて、長い間アフガニスタンと直接的な関係を持っていたトルコは、C.I.Aがアルカーイダ細胞に関する情報を、収集するのを助けることができる軍隊を残している、と当局者は指摘する。

アルカーイダはアメリカ軍が撤退した後で、アフガニスタンに戻ってくることは、充分考えられる。アフガニスタンには民間契約者が16000人、アメリカ軍将兵が6000人駐留していのだ。

民間契約者たちは今後も、アフガニスタンで軍の訓練指導に当たる、ということのようだ。アメリカ政府は2500人を撤退させるが、別に1000人を派兵する計画であるようだ。つまり、アメリカは今後もアフガニスタン政府を、支援するということだ。

そもそも、アフガニスタンからアメリカ軍が撤退するに当たり、もし、攻撃されれば撤退は止まり、報復攻撃が行なわれることになろう。従って、アメリカ軍のアフガン離れは、遅れることになるということだ。つまり、アメリカのアフガンからの軍撤退は、実際にはいいかげんなもの、と言うことではないか。

 

:最近、イエメンのサウジアラビア向け攻撃が継続し、しかも拡大しているようだ。これは何らかのイエメンとサウジアラビアの、駆け引きかもしれない。サウジアラビア等アラブ連合軍報道官は、15日、ホウシ軍がジャザーン向けに発射した弾道ミサイル2発と、ドローン4発(報道では3発との説もある)をイエメン上空で、捕捉破壊した、と発表している。

 

:トリポリが破壊された町を再建し続けている。リビアのトリポリの一角には古くからある町並みがあり、そこは戦闘で大分は破壊された。だが、トリポリ市民はこの地域を再建しようと、努力している。

 進行中の実質的な修復は、トリポリの「旧市街の遺産を保存する」と、プロジェクトを監督する管理委員会の責任者、マフムード・アル・ナースが語っている。この地域は紀元前7世紀に、フェニキア人によって建てられたトリポリの旧市街だ。文明から文明、特に古代ギリシャ人、ローマ人、オスマン帝国に引き渡された地域だ。