『イスラエルの人口分布』

2021年4月11日

 イスラエルにとって人口問題は、最大の関心事であろう。パレスチナ人との比率が狂えば、明日はイスラエルがユダヤ人の国家ではなく、パレスチナ人の国家になってしまうからだ。そのためイスラエルはユダヤ人が死亡することに、異常なまでの関心を、払っているのだ。

 いまから70年前にイスラエルでは、イスラエルの「身体計画」と称する、計画が立てられ、中小都市に人口を分散する、というものであった。これは建築家であるアリエ・シャロンによって計画されたために、シャロン計画とも呼ばれていた。

 1948年の段階ではイスラエルの人口は872700人で、テルアビブに人口が集中、し全体の36パーセント(305700人)を占めていた。二番目はハイファで21パーセント、南部地区には2,5パーセントしか住んでいなかった。

 テルアビブとエルサレム(中央部)の人口が今では56パーセント、エルサレムは人口21パーセントの大都会になっているということだ。これで分かるのはイスラエルでは都市人口が非常に多いということだ。

 イスラエルの都市人口は92パーセントにも達しているということだ。これは欧米に比べても、相当多い割合だと言うことだ。イスラエルの都市人口が、90パーセントを超えたのは、1983年ということのようだ。

 さて、これから分かることは、イスラエルの南部地域がエジプトと言、アラブ最大の軍事力を持つ国に、隣接していることにあったろう。住民はエジプトの軍事侵攻を恐れていたのだ。

 テルアビブの人口が異常に多いのは、ここがユダヤ人のイスラエルへの移住者が、最初に多く住みついたところであり、そのために早い段階から、都市化していたためであろう。だが、2025年頃にはパレスチナとユダヤの人口は、ほぼ同じぐらいに変わり、国内の人口問題が、大きくなっていくことが、予想される。そうしたことからであろうか、アメリカは早急に2国家制を実現することを、提唱しているのだ。イスラエルでは人口は、武器でもあるのだ。