ヨルダンでクーデターが計画され、未遂に終わったとい情報が、伝わってきている。これは元皇太子のハムザ・ビン・フセイン王子(41)が、ハムザの異母兄アブドラ2世国王に対するクーデターを計画した、とされるものだ。現在、元皇太子は他の20人とともに、アンマンの宮殿で拘束されていると報じている。
ワシントン・ポストが伝えるところによると,アンマンの当局者は、彼らの行動は「国の安定に対する脅威」と呼び、他の1人の王室と部族の指導者が関与した。「複雑で広範囲に及ぶ」事件の調査は、まだ進行中だ、ということだ。
今回のクーデターの主な容疑者であるハムザ・ビン・フセイン王子は、故フセイン国王とアメリカ生まれの4番目の妻、ヌール女王の間に生まれた長男だ。彼は1999年にヨルダンの皇太子に任命され、異母兄のアブドラ2世によって2004年に取り消されるまで務めた。
今週のツイートで、ハムザ・ビン・フセイン王子はヨルダンの汚職に反対の声を上げ、政府の経済パフォーマンスを非難した。彼は政府に対し、ヨルダンを敵に対して行動を起こすよう、強く求めていた。
拘束された容疑者のうち2人は、国王の元親友で後の財務大臣のバッセム・アワダラと、王室の一員であるシャリ-フ・ハッサン・ビン・ザーイドである。
このクーデター未遂の背後には、サウジアラビアが関係しているのではないか、という見方がなされている。それは、サウジアラビア王室とサウジアラビア王家の正当性に対する、ヨルダンのハシミテト王国が歴史を通じて挑戦してきていたからだ。
本来のサウジアラビアの王家は、サウド家ではなくハシミテ家(ヨルダン王家)だ、という事実が有るからだ。ハシミテ王家はヘジャーズの王であり、イギリスに二人の息子が連れ出され、ヨルダンとイラクの国王に座らせられた、という経緯がある。
従って、表面は別としても、サウド王家にはヨルダン王家に対する、負い目があり長い間、ヨルダン王家(ハシミテ家)はサウド王家にとって、目の上のたんこぶであった。その事をついて、今回のクーデター首謀者たちはサウジの支援を受けた立ち上がったのではないか。