『MBSがイラン関係改善したいと語る』

2021年4月29日


 サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)は、イランとの関係を改善したいと語った。これは、イラクで行われたサウジアラビアとイランとの、秘密会議の後に出てきたものだ。スンニ派イスラム教徒の主導国とみなすサウジアラビアと、最大のシーア派イスラム教徒国であるイランは、何十年もの間、地域支配のための闘争を、繰り返してきている。

イエメンでは、主にスンニ派アラブ諸国のサウジ主導の連合軍が、2015年以来、イラン同盟のイエメンの反政府勢力フーシ・グループとの戦いで、イエメン政府軍を支援してきた。イランは、サウジアラビアの都市や石油インフラへのミサイルとドローン攻撃を強化したフーシ・グループに、武器を密輸していることを否定している。

 サウジアラビアはまた、イランの支援を受けたシーア派民兵が莫大な軍事的、政治的影響力を蓄積しているレバノンとイラクに、イランが干渉していると非難している。湾岸の貨物や石油タンカーを攻撃いているとも非難している。

 イランは2019年にサウジアラビアの石油施設に対する、ミサイルとドローンによる攻撃の背後にいる。さらに、サウジアラビアはイランの核開発を制限する、2015年の合意に反対し、3年前にドナルド・トランプ米大統領がそれを放棄し、経済制裁を復活させるという決定を支持している。

 イランは現在、ジョー・バイデン大統領の政権と、間接的に取引の復活方法について交渉している。そうした流れのなかで、火曜日の夜に放送されたテレビ・インタビューで、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、サウジアラビアは「イランとの状況が難しいことを望んでいない」と発言した。

「イランは隣国であり、我々が望むすべては、良好な関係を持つことだけです。我々の問題は、核開発から、この地域の無法民兵への支援、または弾道ミサイルの発射に対する、イランの否定的な行動にある」と付け加えた。「地域およびグローバル・パートナーと協力して、これらの問題の解決策を見つけ、すべての人に利益をもたらす、良好な関係のために、それらを克服したいと考えています、と語っている。

 彼は先月、サウジの停戦提案を拒否したフーシ・グループに対し、「イエメンの人々の権利と地域の利益を保証する」解決策を見つけるための、交渉のテーブルに座るよう強く求めている。

 しかし、それが実現するかと言うと、そう簡単ではあるまい。それはホウシ・グループが徹底してサウジアラビアを、追い込む姿勢を維持しているからだ。サウジアラビアが1935年の段階で、合意に基づくと言いながら、イエメンの領土を租借したとして、占領し続けているからだ。

 しかも、そこには石油を始めとした、地下資源が存在するのだから。