エルドアン大統領が頻繁に同国の金融当局を含む、主要政府機関で揺さぶりをかけているため、トルコの経済発展の前提条件として、政治的安定に加えて、制度的安定の重要性を、イタリア出身のトルコ人実業家であるシモーネ・カルロスキーは、トルコ産業実業家協会(TÜSİAD)の会長を務めた人物だ。
彼は、「私たちの政府は経済パッケージを通じて市場に肯定的なメッセージを送ろうとしました。我々はそれに積極的に対応する」と発言している。通常の総会で、政府がトルコ統計研究所(TurkStat)の所長を、過去2年半で、3回置き換えたと指摘している。
過去3年間に発表された、他の経済計画のように、失敗しないようにするために、この改革プロセスにおいて説明責任を、「必須」とみなすべきだと付け加えた。彼らに対して早急に措置が講じなければ、食料価格のインフレと、失業率の緩やかな上昇は、我々の社会に大きな損害を与えるだろう、と彼は警告している。
トルコは、前年比19.75%、年間平均インフレ率16.16%で、食料インフレ率で経済協力開発機構(OECD)諸国のなかでも目立っている、それはアルゼンチンに次いで世界第2位なのだ。
TÜSİADの諮問委員会の代表である、トゥンパイ・オジルハンも、トルコの制度構造に関する予測不可能性を批判し、「私たちがどこに向かっているのかという答えがない場合、どのように計画を立てることができますか?制度構造が予測通り機能すると仮定することなく、明日何が起こるかを知るには、どうすればよいでしょうか。もし、発表されたルールが明日変わるなら、明日に向けてどう決断できるのか」とトゥンパイ・オジルハンは尋ねている。
「パンデミックによって引き起こされる経済的困難は、本質的に既存の構造的な困難を増大する性質がある。道路の片側には不安定さがあり、経済の収縮、失業、財政難が他方にありという情況は、我々は皆同じボートに乗っている不安がある」とトゥンパイ・オジルハンは強調した。3月初めに発表された野党SOL(左)党の報告書によると、昨年トルコで72万8000人が失業した。
他方。トルコの中央銀行副総裁の首が伝えられている。政府はこの首の理由について、何も説明していないようだ。これではトルコの実業界も庶民も、先行きに対する不安を拭い去れまい。