『金と外貨は銀行に入れろ・エルドアン発言』

2021年3月25日

 どうやら韓国と並びトルコも大分資金が、枯渇してきているようだ。先日とんでもないトルコ・リラ安が起り、72リラ・レベルから82リラ程度まで下がった。このリラ安を是正するために、エルドアン大統領は、国家の持つ外貨を放出し支えた。

 しかし、こうした解決策は一時しのぎにはなっても、それ以上の効果は生まない。結局外貨が政府の手から離れ、国民の手に渡ったことになる。もちろん国民の一部だけがその恩恵を受けることになり、庶民は外国からの輸入品の値上がりと、インフレで苦しめられるだけだ。 

 そこでエルドアン大統領が考えたのは、国民が持つ金やドルを中心とした、外貨の銀行への預け入れ呼びかけだった。彼は「トルコの人々は、『私たちの経済は台無しにされ、終わった、運命にある』と言って、自国を中傷する争いに巻き込まれる人々に、注意を払ってはだめだ。

また「私は、市民が私たちの経済と生産に利益をもたらすように、様々な金融商品に、自宅で金と外貨の保有を、投資してほしい」と、彼が2018年の通貨危機の時に行った呼びかけを、繰り返している。

加えて、トルコに投資する外国人投資家に対し、トルコの力と可能性を信頼するよう強く求めた。「過去数日間の変動は、トルコ経済の基礎、その真のダイナミクス、その可能性、または明日を反映していない」と発言している。

エルドアン大頭領の金融政策は、2年足らずで3人目の中央銀行総裁を解雇し、市場の混乱を引き起こし、トルコ通貨が今週14%も急落した余波で起こっているのだ。中央銀行総裁の首問題では、11月からその地位に入ったばかりで、投資家の信頼を高め、一連の利上げに続いてトルコ通貨を押し上げた、中央銀行総裁ナチ・アバルを先週、解任しているのだ。

エルドアン大統領の金融理論は特殊であり、金利がブレーキとして機能するのではなく、インフレを引き起こすという、型破りな理論を信じるエルドアンは、彼の経済理論に沿って、より低い金利を主張してきている。

エルドアン大統領は、外国との関係を修正し、外国からの投資を誘致しようとして、外国に手を差し伸べる意図の一環として、議会で彼の融和的なレトリックを主張し続けている。

彼の考えはこうだ、「我々は、トルコの利益と国民の期待に沿って、欧州連合(EU)からアラブ地域まで、米国からロシアまで、あらゆる国との関係を形作り続ける。「トルコはアフリカ、アジア、ヨーロッパの交差点に位置する国として、我々は東洋にも西洋にも背を向けるつもりはない」と言っている。

エルドアンは、2023年の選挙に備え、来年末までに年間インフレ率を10%以下、出来れば5%に引き上げたい、と考えているようだ。そううまく行くものかと疑問だ。問題はオスマン帝国再興にあり、外国への軍の派兵にあるのではないか。

加えて、エルドアン大頭領のメガプロジェクト熱と、彼の豪邸の建設に膨大な金が、投資されていることにあるのだ.どうも韓国の文大統領に似ていると思えるのだが。韓国も経済はほぼ、破滅状態にあるようだ。